今回は、大富豪がマンション投資の際に「一番安い部屋」を買う理由を見ていきます。※本連載は、日本バトラー&コンシェルジュ株式会社の代表取締役、新井直之氏の著書、『執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学』を一部抜粋し、総資産50億円以上の大富豪に仕えた執事だけが知っている「富の築き方」をご紹介します。

投資用マンションにも「松・竹・梅」が存在

うな重に松竹梅があるように、投資商品にも松竹梅があります。大富豪は「迷ったときは梅を買う」と言います。なぜなら、梅のほうが得な場合が多いからです。

 

わかりやすい例が、投資用マンションです。大富豪の方々は不動産に投資するのを好まれ、投資用マンションもよくご購入なさいます。その投資用マンションも、部屋のタイプや条件によって、ずいぶん価格が違うのです。

 

よくマンションの売り出し広告に「最多価格帯4600万円」などと書かれていますが、それは全戸のなかで最も戸数の多い価格の話です。

 

実際のマンション物件は、最低価格は2980万円、最高価格は5880万円といった具合に、一番安い部屋と一番高い部屋の価格がかけ離れているケースが多々あります。つまり、投資用マンションにも松竹梅が存在するのです。

 

有り余るほどの資産をお持ちの大富豪ですから、一番高価な部屋を買うのだろうと想像されるかもしれませんが、意外にも、一番安い部屋を選ばれることが少なくないのです。

 

一番高い部屋が一番いい部屋であることに疑いはありません。それでも、あえて安い部屋をお買いになるのです。

一番高い部屋は「プレミアム価格」が乗っている!?

あるお客さまは「東京オリンピックに向けて会場近くの投資用マンションを買っておこう」と物件を探されました。このとき最終的にご購入になったお部屋が、分譲マンションのなかで最も安い物件でした。

 

「どうしてハイクラスのお部屋にしなかったのですか?」とお尋ねすると、「迷ったときは、一番安いものを買うことにしているんだ」と言って、こう話をつづけました。

 

「もちろん一番高い部屋がとても気に入れば迷わず買う。でも、とりあえず投資しておこうかというときは、一番安い部屋だ。一番高いものにはプレミアム価格が乗っているんだ」

 

この方は、ある商品の販売会社を経営しているので、売り手の論理がわかるのです。また、下落率が小さいことも梅を選ぶ理由です。

 

「一番高い部屋はプレミアム価格になっている分、景気が後退したときには大きく値が下がる。その点、一番安い部屋はプレミアムが乗っていないから下落率も小さくて、その点では一番バリュー(価値)がある」

 

大富豪は、価格が上がる局面だけでなく、下がるときのことも考えて投資商品の価値を見極めているのです。

 

面白いことに、人を雇うときも、大富豪は松よりも梅を選ばれます。実績のある即戦力のエキスパートよりも、例えば学校を卒業してきたばかりの人を好むのです。すぐに結果を出してくれるエース級のほうがよさそうですが、大富豪の考え方は違うようです。

 

「経験豊かなエキスパートを年俸2000万円で雇うより、500万円で雇える新卒に賭かけるよ。500万円の新人なら同じ投資額で4回失敗できるじゃないか」

 

大富豪は、人材への投資でもプレミアム価格を常に意識して、肩書や経歴に惑わされることはありません。

 

このようにプレミアム価格に気がつくか、気がつかないか、それだけでも投資商品の価値判断は変わります。どれにするか迷ったときには一番安い品を選ぶと買いやすく、売りやすい選択ができるのです。

 

★迷ったときは〝梅〟を選ぶ

執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学

執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学

新井 直之

幻冬舎

総資産50億円以上のVIPたちにお仕えしてきた一流執事が明かす、世界の大富豪の富を呼ぶシンプルな習慣 本書は『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』の第二弾として、執事の丁寧な口調で語られる〝お金〟をテーマに…

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