前回は、「投資信託」と「終身型個人年金保険」の活用法について説明しました。今回は、「一括収入系資産」というあまり聞きなれない資産の形成法がテーマです。「一括収入系資産」の形成で、どういった効果が得られるのかを見ていきましょう。

受取期間限定の資産運用で作る「一括収入系資産」

一括収入系資産というのは、文字通り「一括」して収入を得られる資産形成法なのですが、もう少し正確に言うと「受取期間限定の資産運用」であるということです。

 

たとえば、60歳からの5年間、配当として受け取ることができる運用資産、あるいは65歳から15年間、毎月決まった金額の年金が受け取れるといったように受取期間を限定したうえでの資産運用になります。

 

現実的に考えてリタイア後の生活は、非常に長期にわたります。元気でアクティブに動くことができる期間が10年程度あるのが一般的です。そんな期間を収入の面でサポートするのが、この期間限定の一括収入系資産と考えてもいいかもしれません。

「節税効果+運用効果」が狙える金融商品を探す

たとえば1000万円の現金がある場合、そのまま預貯金として放置するのではなく、生命保険や海外の金融資産に積極的に投資し、最終的に10年間もしくは15年間かけて事業収入から不労収入への収入転換の時点で、受け取るための原資として活用します。その場合、当然10年と15年とでは運用の方法が変わってきますので、受け取る金額も変化してきます。

 

たとえば、毎月コツコツと積み立てていくタイプのものもあれば、ある程度まとった資金を投資して、高い運用成果を期待するものもあります。コツコツと貯めていくタイプのものであれば、節税効果もある「確定拠出年金(401kプラン)」などがお勧めです。

 

最終的に、何歳から何歳までの期間、年金商品として受け取りたいという期間の選択も可能です。401kプランでは、最高で月額6万8000円(国民年金基金との合計金額)が、確定申告で控除の対象になります。

 

不動産投資のところでも触れましたが、開業医の場合はどうしても高額所得者になるため、こうした「節税効果+運用効果」が狙える金融商品を探すことが重要になってきます。

 

さらに、一括収入系資産の運用で忘れてならないのは、海外の高い運用益を確保してくれる「海外金融商品」です。海外金融商品のような運用リスクの高いものはやりたくない。そんな開業医も当然いらっしゃると思いますが、リスクとリターンの関係をよく理解して進めていくことで、一定のリスクは回避できます。

 

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本連載は、2015年8月4日刊行の書籍『開業医のための資産形成術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

開業医のための資産形成術

開業医のための資産形成術

恒吉 雅顕

幻冬舎メディアコンサルティング

かつて開業医は、勤務医より圧倒的に収入が多く、リタイア後の悠々自適な生活を保障されていたことから、将来安泰な職業だと言われていました。しかし今、税制改革による富裕層への増税や、2025年問題へ向けた医療制度改正によ…

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