前回は、アドバイザーが原因で「保険活用できない」3つのケースを取り上げました。今回は、「特定の保険商品だけ」を推奨する販売担当者・代理店に注意点が必要な理由を見ていきます。

特定の商品を集中的に扱う「保険代理店ビジネス」

前回の続きです。

 

また、1社専属の販売担当者は、飲食業や自動車販売業などの「異業種」からの転職組が多く、金融機関職員なら当然理解している、

 

●個人情報保護の重要性

●お金を扱うことの重要性

●法令遵守の重要性

 

などの常識が、おろそかになっているケースが少なくありません。

 

ただし、実際には1社専属の販売担当者しか扱わない有益な保険商品も一部あることは事実です。もし事前の下調べから、この商品を契約したいと決めているなら、1社専属の販売担当者でも問題ないでしょう。

 

また、1社専属の販売担当者でなくても注意が必要です。

 

駅前などにある代理店に代表されるように、20社、30社の保険会社の商品を扱っている代理店もありますが、そこで営業している担当者がすべての保険商品をしっかり把握しているわけではありません。

 

そのため、後述する②とも関連しますが、多くの保険代理店では、特定の商品だけを「キャンペーン」のような形で集中的に取り扱っていることが一般的です。会社で指定された特定の商品が、顧客のニーズと最もマッチしているようにセールストークを作り上げ、契約を掴み取っていくのです。そのほうが保険代理店ビジネスとしても効率的です。

 

このように、たくさんの保険会社を扱う代理店であっても、すべての保険商品を公平に扱うことは困難かつ実質的に無理であり、限られた一部の商品だけが提示されていることが大半で、顧客にとって良い選択にはならないケースが増えるのです。

 

まとめると、1社専属の販売担当者による他社商品の提案や、複数の保険会社を扱う代理店で、特定の商品だけを提案される場合には、十分注意が必要です。

多数の代理店が「公平・中立」を謳うが・・・

次に、販売担当者にとって有利な商品をすすめられてしまう②について見ていきましょう。これは現在、保険業界で最も話題になっていることであり、昨今の法改正のきっかけになった事例でもあります。

 

保険の販売担当者も、ビジネスですから、なるべく利益率の高い商品を売りたいと思うのは自然の流れです。たとえば、コミッションが「10万円」で保険料が高いA商品と、コミッションが「1万円」で保険料が安く、保障内容もよいB商品があるとします。

 

このようなとき、販売担当者はどうしてもA社商品を売って、多くの収益を上げようとするものです。顧客目線だと、B商品が提案されて当然なのですが、背に腹はかえられません。こんな販売の仕方をしていても、「公平・中立」を謳う保険代理店は多数あります。

 

監督官庁もこのような状況を見かねて、保険の販売において「公平・中立」という言葉を使ってはいけないというルールを作ったくらいです。

オーナー社長のための「法人保険」活用バイブル

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幻冬舎ゴールドオンライン編集部

幻冬舎メディアコンサルティング

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