肩書きや資格が、実態や中身のあるものなのか確認を
前回の続きです。
⑦○○アドバイザー、○○診断士、○○プランナーなど、実態と中身のない資格で、惑わせようとしていないか
保険の販売担当者は、日本全国で100万人程度も存在していることから、極めて競争が激しいといわれています。そのため少しでも自分をよく見せようと必死になるのも当然で、○○アドバイザー、○○診断士、○○プランナーなど、派手派手しい肩書きや資格を名刺に載せ、いかにも専門家だとアピールする販売担当者が多く見られます。
しかし弁護士、税理士、司法書士、行政書士、保険数理をチェックするアクチュアリーなど、法令で定められた資格と異なり、○○アドバイザーや○○診断士などは、本当に中身のある資格団体によって、厳しい試験を設定しているものかどうかを確認する必要があります。
財政基盤が脆弱な代理店はアフターサポートが手薄に…
⑧財務的に安定した基盤で経営されているか
新保険業法が平成28年5月に施行される前までの保険代理店では、以下のような事例が散見されました。
●給与は歩合制で、残業代も出ない
●雇用管理が不十分で、社会保険にも未加入
●個人情報を守れる体制が整っていない
●1人代理店(社長1人の会社)で資産規模が小さく、自宅や民家を事務所に営業
今回の保険業法等のルール改正により、今後はこのようなことをなくし、保険代理店も「一金融機関」に近い形で経営をしなくてはならなくなりました。金融機関に近い形ということは、以下のような厳しいルールを守る必要が出てきます。
●給与は、最低賃金法に則りきちんと支払う
●残業代も、時間管理のうえ、きちんと支払う・社会保険等への加入
●個人情報の管理システムを導入
●顧客との面談記録の保存システムの導入
●販売側の都合による、特定の商品ばかりの販売の禁止
●個人情報の流出が危惧される、自宅や民家などでの保険代理店事業の禁止
このようなルールのもとで保険代理店経営を行うのは、一般的な代理店では負担が重く、財務を圧迫しがちです。
そのためルールの厳格化以降、多くの保険代理店でリストラが加速しました。これまで40人、50人在籍していた保険代理店でも、急に2人、3人になってしまったところもあります。また中には、6カ月以内にノルマをクリアした販売担当者だけが、固定給のある新しいルールに基づいた給与体系に移ることができ、その他の人に対しては「契約を更新しない」「解雇」などの処置を取られたケースもありました。そのため、従業員が会社を訴える労働訴訟も起こっています。
そもそも保険代理店の経営が磐石でないと、契約者に対するアフターサポートが非常に薄いものになる可能性は高くなります。保険代理店業界が揺らいでいる今だからこそ、保険を検討する場合は、保険代理店の財務基盤がしっかりしているかを確認したいものです。