インフレに強く、長期的な財産保全に適している「金」
少額投資非課税制度(NISA)が2014年からスタートしました。これは120万円までの株式投資や投資信託にかかる値上がり益や配当金(分配金)が非課税となるもので、相続税対策のひとつとして有効です。
ただし、バランス良く資産を持つといっても、紙の資産には信用リスクがあります。大手の金融機関に相談すると、どうしてもその金融機関の取扱い商品に引きずられてしまうこともあるので、冷静に判断したいところです。
私が、この資産バランスの保ち方としておすすめできるもののひとつに「金」があります。金は換金性そのものといってよく、インフレに強く、世界情勢が不安定なときに相場が上がるといった特性を持っています。
金は、10年先・20年先を見据えた長期的な財産保全の手段に適した実物資産といえます。金額的には200万円未満であれば、販売会社による税務署への届出・報告義務も不要です。
金というと相場の乱高下が激しく、敬遠する向きもありますが、実は世界の資産家にとっては財産の持ち方のスタンダードなのです。日本人はとかく財産としてのモノは土地だけと考えがちですが、土地だけがモノではありません。金は財産のバランスを不動産に偏重させたくないと考える人にとっておすすめなのです。
金の売却で得た利益には「譲渡所得税」が課税
金を資産として保有する場合、以下の基本的知識を身につけておいてください。
①金の価格は、海外市場の相場に連動して毎日変動しています。相場価格は公認の金取扱業者に確認すればすぐわかります。
②金の売買には消費税がかかります。
③金の売却で得た利益には、譲渡所得税が課税されます。税率は保有期間が5年以内の場合と5年超の場合とで異なります。
④非課税枠を超えて贈与されたり、相続した金については、贈与により取得した日、あるいは相続発生時点での時価で評価され、課税の対象となります。
資産家は、現金と同様に相続人等一人当たり年間110万円までの非課税枠を利用して、毎年金を購入のうえ贈与していくことをおすすめします。