中古物件でも、立地が良ければ価格の下落率は低い
不動産を積極的に買い替える手法はこれまで説明してきたとおりですが、では、「将来価値が高い不動産」とは、どのような物件のことをいうのでしょうか。首都圏を例に、あらためて考えておきましょう。
首都圏では今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピック前後までは、よほど大きな災害にでも見舞われない限り、景気次第で土地の価格は上昇していくことが予想されます。そこで、そのような好立地にある将来価値が高いマンションとはどのようなものかを例示すると、一般的には次のようなことがいえます。
①中古でも良い物件がある。無理に新築を狙わなくてもいい
一般的な傾向として、中高層のマンションは価格下落率が小さいとされています。ワンルームマンションであれば、投資用物件が多く、割高で販売されているため築年数が数年でも価格が2割、3割下落する物件が多いのですが、通常のマンションの場合、立地が良ければ需要が多いため下落率が低いのが実態です。
つまり、自分が住むにせよ、家族に生前贈与するにせよ、また、賃貸に出すにせよ、築年数による価格の下落についてはさほどこだわらずに済むということになります。
むしろ、ここ2〜3年の建築費の高騰時に建てられた新築物件は「広告費」などが上乗せされた割高感があるので、住む人の利便性を考えると、周辺地域のなかでも先行して利便性の良い土地に建てられた中古物件のほうが優れているともいえるのです。
おすすめは、港区・渋谷区・中央区・千代田区・目黒区
②都心の好立地に建てられたマンションを選ぶ
日本全国には中高層のタワーマンションと呼べるものが、約1500棟あるといわれています。その多くは首都圏にありますが、一つひとつの物件を見ていくと、交通や買い物の利便性に多少の難があったり、デベロッパーや建築会社に難があったりするケースもないわけではありません。
どのようなマンションの将来価値が高いか、となると、できるだけ一等地、つまり都心のなかの人気のあるエリアに建っている物件を選ぶのもひとつの手です。湾岸地域なら、そのなかでも一等地と呼ぶべき地域です。
中高層のマンションの評価は人それぞれでしょうが、デベロッパーや建築会社の総合力が問われるのも事実です。買い替えるのであれば、予算の問題はクリアできているはずですから、積極的に都心のなかの利便性に優れ、かつ立地の良い地域の物件を選ぶことが下落率を考えても得な選択になるのです。
具体的には、人口が増えている港区、渋谷区、中央区、千代田区、目黒区など、立地条件の良い地域のマンションをおすすめします。
③その地域を象徴するような物件を選ぶ
細かく見ていくと物件の選び方は様々な要素があるのですが、結局のところ選別の基準は、「その地域を象徴するような物件を選ぶ」ということに尽きます。
湾岸地域でいえば、中央区佃、港区港南、江東区有明や豊洲などにはタワーマンションが林立しています。そうした地域で物件を選ぶ基準は何かというと、信用のある大手デベロッパーが建てたブランドのあるマンションです。その地域を象徴するような物件は、結局のところ最も下落率が低く、販売会社の管理も充実しているからです。