前回は、不動産の運用手段としての民泊の可能性を取り上げました。今回は、富裕層の活用も増加している「リバースモーゲージ」の魅力を見ていきます。

持ち家を担保に「銀行融資を引き出す」システム

近年、資金不足から「リバースモーゲージ」を利用する資産家も増えてきました。自分の持ち家を担保に銀行から融資を受けて自宅をリフォームし、民泊や貸家にして収入を得ているケースです。年齢が高くなり、新たにローンを組むのが難しくなった人に特に向いています。

 

リバースモーゲージは、200年ほど前からフランスでヴィアジェ(viager=終身)と呼ばれる身寄りのない高齢者に多く利用されてきた独自の売買システムが元になっています。日本では東京スター銀行がパイオニアとして古くから実績を上げており、大手都市銀行も力を入れるようになりました。

 

リバースモーゲージは、次のような人にメリットがあります。

 

①有料老人ホームへの入居を検討している

②不動産を売却しないで相続対策をしたい

③リフォーム資金の借り入れが難しい

④年金だけでは今後が不安

⑤地主から底地売却の打診を受け、購入したいが余裕資金が足りない

 

ただし、リバースモーゲージは都市部に近い通勤圏内の土地が対象となるため、担保価値の低い物件には向いていません。

容積率緩和で、旧耐震基準のマンションが人気に!?

東京都は、老朽化したマンションの建て替え促進のため、容積率を2017年度に緩和しました。

 

1981年5月までの「旧耐震基準」で建てられたマンションが対象で、建て替え後に戸数を増やせるようになり、再建築のため民間デベロッパーが参画しやすくなります。

 

東京都の調査では、都内には約5万3000棟の分譲マンションがあり、このうち旧耐震基準のマンションが約1万2000棟にのぼります。これらの建て替えが進めば全国の自治体にも波及して、既存不適格の建築といわれている古いマンションの市場価値にも影響し、旧耐震であっても立地の良い良質なマンションは人気が高まることも予想されます。

 

ただし、容積率緩和は各区の条例で決められますが、日影規制は建築基準法で規制されるため建築基準法を優先しなければなりません。容積率が緩和されても日影規制が緩和されず、新しく建て替えても同じ面積が確保できない場合がある、ということです。特に日影規制が厳しい住宅地域では、あまり効果がないと思われます。

 

そのため、これから旧耐震のマンションを購入するのであれば、日影規制の緩い商業・準商業地域で立地の良い物件をおすすめします。

改訂版 塩漬けになった不動産を優良不動産に変える方法

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相馬 耕三

幻冬舎メディアコンサルティング

バブル崩壊以降、買ったはいいものの収益を生んでいない賃貸物件や、地価の暴落でほったらかしになっている土地を抱える不動産オーナーは多くいます。ソニー生命の不動産整備などを実現してきた経験豊富な不動産コンサルタント…

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