「大手デベロッパー」の物件を選ぶのが基本
詳細は後述しますが東南アジアの国々の多くは、高い経済成長率と人口増加率を誇るだけでなく、今後ある程度大きな市場規模と安定した経済基盤も期待できます。
とはいえ、日本とまったく同じ感覚で投資をすると痛い目に遭うのも事実。その注意点を解説しましょう。
東南アジアで不動産投資をする場合、最も手軽なのが新築コンドミニアムです。これは日本でいうマンションにあたります。新興国の新築コンドミニアムでは、完成前に販売を開始する「プレビルド」という手法が一般的です。
プレビルドでの購入は、完成後よりも安く買えるといったメリットがあります。しかし、主に中小のデベロッパーが手掛ける物件では、資金不足から建設工事が途中で止まってしまうことが少なからずあります。実際に東南アジアの様々な国で、工事がストップして廃墟のようになっている現場を見ることができます。
ストップとはならなくても、半年や1年といった大幅な遅れは日常茶飯事です。当然ながら完成が遅れればその日数だけ想定した家賃は入りません。
このようなリスクを最小限にするためには、できるだけ大手のデベロッパーが手掛ける物件を選ぶことが得策です。新興国の建物の品質は、日本人が想像している以上にバラつきがあります。完成当時から雨漏りがするといったケースも珍しくありませんし、トイレや洗面台の水漏れにも要注意です。
現地の財閥系などの大手ならば、工事がストップする可能性だけでなく建物自体の高い品質も期待できます。
現地の販売会社ではなく、日本の不動産会社がお勧め
日本人、特に多忙なドクターが海外不動産を買う場合、現地の販売会社から直接購入するのはトラブルの原因になりがちです。詐欺などはもちろん、意思の疎通がうまくできないために「言った、言わない」となる可能性が高くなります。そのため、基本的には現地にスタッフを派遣している、または拠点がある日本の不動産会社をお勧めします。
このような会社なら、右から左へと物件を仲介するだけでなく、詳細な現地情報や管理会社の見つけ方なども教えてくれるでしょう。
また、販売前の最新物件情報も現地デベロッパーへの営業や役所などに行って日々確認しているので、想定外のお買い得物件を紹介してくれるかもしれません。そこまでしてくれる不動産会社ならば単なる仲介会社としてではなく、投資全体をバックアップしてくれるパートナーとなり得るでしょう。
それでも心配な場合は、同じような会社とコンタクトを取り、お互いの評判を聞いてみるという手もあります。狭い世界なので悪い噂は知っているはずです。
物件見学に行く際、管理会社とも面談を
高い入居率と良質な入居者の確保を可能にするのは管理会社の力量、という部分は日本も海外も同じです。信頼できる日本のパートナーがいれば、現地の良い管理会社の紹介も期待できます。しかし、最後は、やはり直接行って見極めたほうが得策です。
とはいえ、皆さんは多忙を極めるドクター。ならば物件見学に行く前に管理会社もいくつか紹介してもらい、ついでに面談してきましょう。目の付け所は日本の業者と一緒です。管理体制やスタッフの人柄などを見ます。