かつては低迷していたフィリピン経済だが・・・
前回の続きです。
さて、残る国はフィリピンのみとなりました。筆者著書『海外不動産で資産を増やす! 医師のためのフィリピン・カンボジア投資』で最もお勧めする投資先です。フィリピンこそが医師の不動産投資先として最も成功する可能性が高いドリームランドといえます。
なぜなら同国は、その他のASEAN諸国が抱えているマイナス要因をほぼすべてクリアした唯一の国だからです。その魅力をくわしく解説します。
・成長を加速させるフィリピン
人口:1億98万人
首都:マニラ
経済成長率:2015年 5.8% 2014年 6.1%
名目GDP:2920億USドル
一人当たりの名目GDP:2858USドル
公用語:フィリピン語、英語
通貨:ペソ
(外務省HPより)
1980年代以降、多くのASEAN諸国が外資系企業の誘致によって大きく経済成長を続けるなか、フィリピンの経済は低迷し「アジアの病人」とまでいわれていました。
その主な要因は政治の不安定さです。1965年から1986年まで続いたマルコス政権では腐敗や汚職が蔓延しました。続くコラソン・アキノ政権では7度のクーデター未遂に見舞われ、1989年には軍反乱事件が勃発しています。また、1998年に誕生したエストラーダ政権では不正蓄財などで2年後に下院が大統領を弾劾。2001年に誕生したアロヨ政権では選挙の不正問題が浮上し、後にクーデター未遂事件も相次ぎました。
ベニグノ・アキノ政権の誕生以降、経済は急成長
このような負の流れを変えたのが、2010年に就任したベニグノ・アキノ3世大統領です。彼は「汚職がなくなれば貧困もなくなる」をスローガンにクリーンな政治を徹底し、財政赤字を大幅に減らし、外国の格付け機関は相次いで国債の格付けを引き上げました。
その結果、ベニグノ・アキノ政権が誕生した翌年以降の経済成長率は次のように高水準を維持しています。
2011年:3.66%
2012年:6.68%
2013年:7.20%
2014年:6.13%
2015年:5.81%
一般消費者の購買力を測るベンチマークとして低所得者層と中所得者層との境とされている一人当たりのGDPは3000USドル。フィリピンは2015年で2858USドルでした。3000USドルは目と鼻の先です。いよいよ新興国からさらなる飛躍のステージへ移行の時期を迎えているのです。