「医師」という社会的な信頼度を最大限活用できる
前回の続きです。
では、株式やFXはどうでしょうか? 確かに株式やFXは積極的に運用することで2倍、3倍と価値を上げることは可能です。
例えば株式。2016年8月現在の日経平均株価は1万6000円前後です。バブル期は軽く3万円を超えていたのでまだまだ低いと思うかもしれませんが、1950年の日経平均株価は100円前後でした。それが1万6000円前後ということは約160倍です。その間にお金の価値は8分の1になっているので、それを考慮しても20倍です。長期的視点で見れば預貯金をするよりも、はるかに有効な資産運用といえます。
FXにおいては「レバレッジ」をかけることにより手元資金の数倍、数十倍といった投資が可能で、為替の変動にうまく呼応できれば多額の収益を上げることも可能です。
しかし、忙しい医師の皆さんにとって資産分散の方法として株式やFXを選択するのは価格の変動が激しく、リスクが高すぎます。そのため、私は医師という社会的に高い信頼を使って融資を最大限に活用した不動産投資をこれまでにも勧めてきたわけです。
そしてさらに、前著を一歩進める形でお勧めしたいのが、著者書籍『海外不動産で資産を増やす! 医師のためのフィリピン・カンボジア投資』第1章で確認したジャパンリスクに備える本書のテーマ「海外不動産投資」なのです。
忙しい医師の皆さんは海外不動産に投資することで、日本だけに依存した資産形成から解き放たれることができます。それどころか、成長著しい地域に投資をすることで、大きなリターンが期待できる夢のある投資こそが、海外不動産投資なのです。
理解しておきたい、海外不動産投資の「3つの特徴」
まず、海外不動産とはどのようなものなのか、その特徴を紹介します。海外不動産投資の主な特徴は次の3つになります。
1.インカムゲイン
インカムゲインは、所有する不動産を賃貸に出すことで得られる家賃などの収入です。家賃はその地域の経済成長に比例して上がっていきます。また、人口が増加していけばそれだけ需要は増えていくので、家賃が上がることもあり得ます。高い経済成長率の国や安定した国際都市に不動産を所有することで、たとえ日本国内での経済成長が停滞しても、それに依存しない安定した収入が見込めます。
2.キャピタルゲイン
キャピタルゲインは、購入した不動産を売却することで得られる収益です。日本のバブル期は、この収益を狙って都心、地方問わず不動産が飛ぶように売れました。海外の経済成長率が急上昇している国々でも似たようなことが起きています。経済成長著しい国の海外不動産であれば、売却するタイミングを見誤ることがなければ、購入価格の数倍の利益を得ることも不可能ではありません。
3.節税
不動産は、海外の物件を購入した場合でも減価償却の対象となります。減価償却とは、事業を行う際に必要な建物や高額な設備などの購入費を、一度に経費計上しないで何年かに分けるという考え方です。
建物などは大変高額なので、例えば法人の場合は一度で経費計上してしまうと、その年の決算が大赤字になる可能性があります。また、このような建物や高額な設備は1年限りの消耗品ではなく数年にわたって使用できるものなので、使う年数に応じて小分けに計上するのが合理的といえます。
建物の減価償却期間は、鉄筋コンクリート(RC造)住宅の場合47年(病院用は39年)、木造住宅の場合22年です。海外の多くの地価は日本よりも割安です。つまり不動産価格に占める建物の割合が大きいといえます。そのため、同じ価格で買うなら日本の物件よりも節税効果が高くなります。
この話は次回に続きます。