システムトレードでは解決できないリスクも
<知恵⑫>結局、システムトレード+αに徹する
トレードには二種ある。システムトレードと裁量トレードだ。一体、どちらが有利なのか、少し考えてみたい。最近のシステムトレードの進歩には目をみはるところがあるし、解決できないリスクもあり、結論を言えば、トレードの自己ルールを主軸にして、システムトレードの弱点を補う+αに徹するしかないと思う。
①V天井・V底の難しさ
真正トレンドフォローのシステムだと、どうしてもV天井やV底が致命的な欠陥となり得る。分割した押し目買いがことごとく、打ち破られ、ちょうど新興株式市場の「行って来い」的動きで、多くのトレーダーの犠牲が生じるように、エントリーの乱調が起きる。
②トレンドに乗ると増えたポジションのリスクが高い
この問題の唯一可能な手立てとして、トレンドが先に進むにつれて、ポジションを減らすことだ。システムトレードを変調させることで儲ける反システム派は、システムの死角を狙う。押し目・戻り・グランビル法などが餌食となる。
狭いレンジのトレードでは、裁量による判断が重要
③移動平均線は死んだ
これはちょっと大げさな表現だが、確かに一時ほど力があるツールとは言えない。グランビル法「買い2」のエントリー位置は、しばしば打ち砕かれるので用心が必要だ。たとえば5分足ベースの移動平均線で波動を探ると、ゴールデンクロス後でほぼ3段階の波動で潰されることが多く、気の早い仕掛け人たちは、2波動目に崩してくるから油断も隙もない。
④ブレークアウトのダマシ
長い時間軸のシステムトレードの大半の原理はブレークアウト利用だから、最近はこれを「ダマシ」に見せるトレーダーが多い。
⑤狭いレンジのトレードを控える
さらに、それにちゃぶついた狭いレンジのトレードでは、損が出やすい。システムトレードが苦労するのは、トレンドがないレンジ期間で、それを裁量トレードが判断しないと、何をやっているかわからないつまらない時間を過ごすことになる。