チャートで過去の情報を織り込み、「因果律」を抽出
<知恵⑩>クールに描いたシナリオプランを使え
為替の価格はどう動くのか――この予想は、未来予想の一つで、予想はあまりにも不確実性にあふれているが、ある程度予想で優位に立たないとトレーダーは敗者となる。どうすればよいのか。
①二種の分析
一般に予想のためには経済指標などの情報を根拠にした「ファンダメンタルズ分析」とチャート等視覚的なツールを根拠にした「テクニカル分析」を利用できるから、こうした分析に精通するトレーダーは有利な位置にある。だが、不確実性の真っただ中にいることに変わりはない。要するに先が満足に読めないのだ。
②複雑さの認識
未来を不確実と見て、トレーダーがかかわる予想環境の複雑さを認識した上で、予想可能と予想不可能を識別する。
③チャートは過去を織り込む
マジョリティが指標予想に失敗すると市場が失望する。するとこのサプライズが大きな動因となり、「チャート」は、未来を予想するツールだという認識よりも、むしろ過去の材料を織り込んでいくものだ。
④因果律の抽出
チャートは情報を織り込んで描くといわれるように、現象として可視的なトレンドやパターンに注目してこれらを形成する要因を突き止め、因果律的なものを抽出する必要がある。
未来予想は、複数のシナリオから客観的に判断
⑤①から④を認識後……
A:一つの解答にこだわるような柔軟性を欠く判断を回避する。
B:異なる未来の出来事を受け入れ、それを自由に活用できる能力を磨く。
C:結果として確実に現れる相場の最悪のシナリオと最良のシナリオの間にいくつかのシナリオをクールに描けるようにする。
[図表]クールな予想シナリオプラン