損失発生時の「心のダメージ」にも差が・・・
<知恵⑧>買いよりカラ売りの方がかなり有利
買いとカラ売り。どちらが有利に儲けられるのか。一概にどちらと言えないにしても、状況次第でどちらを中心に売買すれば、より儲かるのか。
順調に波動をつくり、上昇してきたものの、いきなりカラ売りを仕掛けられて波動に亀裂を入れられ、あっという間に、元の木阿弥にされる。実践では、しばしば見かけることだ。こうした予期しない経験では金銭的損失をこうむるだけでなく、「徒労感」「恐怖」といったネガティブな心の傷が残るもの。
売りポジションをもっているとき、価格がじわじわ上がるのを見ていても、不快感をもつものの、衝撃を受けることはまずない。しかし買いポジションがいきなり売り崩されて損失が広がる過程では、下落速度が増すゆえ、衝撃はかなり大きいはずだ。
3対1で「カラ売り」のほうが有利!?
私の経験では、3対1で、カラ売りが買いにまさる。カラ売りのリズムをグランビル法に置き換えてみると、売り1→売り2→売り3という流れで、リズムがとりやすい。天井圏から落ちてくると、売り圧を感じ、ニュートンの法則ではないが、落下のカラ売りの方が自然な動きに感じるのは不思議なものだ。
一般に株式投資からFXに入ってきたトレーダーは、買い派が多く、買い安心の習性が身についており、カラ売りというトレードスタイルに心理的な抵抗感をもつようだ。従って、カラ売りのスタイルに何ら抵抗感をもたない外国勢は、むしろ、カラ売りをこぞって仕掛けてくるようだ。
一般にトレンドフォロー時には、三段波動の完成後にトレンド転換が行われることが多く、そうした三段目にあっての売り崩しをしやすい時に、平然とカラ売りができないのでは、勝ち目がない。タイミングが一歩も二歩も遅れてしまうのだ。
「あ、崩されたな」と感じた瞬間、準備したように注文のために超速のタイプができないと、不用意なタイミング遅れで、利益を少なくするか、ドテンが遅れ、溜息をつく羽目になる。
[図表]買いよりカラ売りが有利