前回は、ローン返済が不可能となったときの保証会社による残債清算の仕組みについて取り上げました。今回は、抵当権が設定された住宅が「差押え」から「競売」に至る流れを見ていきます。

「差押え」は債権者である保証会社の権利を守る手続き

競売の申し立てが行われたら、裁判所はその財産についてすみやかに差押え登記を行い、登記簿にその旨を記載します。借り手には裁判所から差押通知書が届くため、手続きがなされたと知ることができます。

 

差押えは債権者である保証会社の権利を守るための手続きです。差押え登記がなされた財産は、自分のものであっても売却したり譲渡したりできなくなります。そのため、「高値で買ってくれる人が見つかった!」という場合にも、所有者の判断だけでは売却できません。

 

抵当権を設定した物件を勝手に処分されてしまうと、保証会社は競売の売却代金によって代位弁済した分の返済を受けられなくなる可能性があります。そのため競売の申し立てと同時に自宅の差押えが行われるのです。

競売の開始を知らせる「競売開始決定通知書」

保証会社が裁判所に提出した「競売の申し立て」が受理され、競売が実際に開始されることを知らせるのがこの「競売開始決定通知書」です。正式には「担保不動産競売開始決定通知書」と呼ばれ、競売を取り扱う地方裁判所の民事部から送られてきます。

 

なお、入札期間や入札の結果を明らかにする開札期日や売却を決定する期日などは、次に届く「期間入札通知書」に記載されています。この「期間入札通知書」は、入札のだいたい1カ月から1.5カ月前に送られてきます。

住宅ローンが払えなくなったら読む本

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著者 矢田 倫基   監修 矢田 明日香

幻冬舎メディアコンサルティング

夢のマイホームを購入する際、多くの人が利用する住宅ローン。ローンを組む際は、通常、専門家のアドバイスを受けながら無理のない返済計画を立てますが、長い返済期間では何が起こるかわかりません。思わぬトラブルによって返…

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