前回は、低金利が住宅ローンにもたらすありがたい影響について触れました。今回は、各種金融機関が「不動産購入資金」の融資に積極的な理由を見ていきます。

国の政策による低金利で「お金を借りやすい状態」に

金融機関は誰にでも簡単にお金を貸してくれるわけではありません。融資の前には必ず審査があり、「返済能力がある」と判断できない場合には住宅ローンの提供を見送ります。

 

融資した資金が返済されないと損失を被るため、金融機関は融資の申請に対して慎重な調査を行います。職業や年収はもちろん、勤務先や勤続年数、それまでの借入歴についても詳しく調べ、その上で「十分な返済能力がある」と認められる人にのみ融資を行うのです。

 

そのため、借り手の側にも「金融機関が融資してくれたのだから返済は大丈夫」と考える人が少なくありません。自身の経済事情に不安があっても、お金のプロである金融機関が厳しく審査した上で返済可能だと評価したのだから返せるはずだと判断してしまうのです。

 

たしかに以前はこの考え方にも一理ありました。金融機関の審査はそれだけ厳しく、少しでも不安要素があれば、ローンを組むことはできなかったのです。ところが近年は金利を引き下げて融資を促す国の政策により、「お金を借りやすい状態」が続いています。

不動産が担保となる住宅購入は、審査も「軟化傾向」

背景にあるのはマイナス金利の影響です。資金を日本銀行に預けると金利をとられてしまうので、金融機関はより積極的に融資する必要に迫られています。その結果、不動産の購入に対する融資が過剰に積極的なものとなっているのです。

 

一般的な事業に対する融資の場合には、事業の成否を細かく審査する必要があります。手間と面倒がかかる上、融資を回収できないリスクも小さくありません。

 

ところが住宅ローンをはじめとする不動産購入に対する融資の場合には、住宅については特に政策的な後押しもありますが、不動産が担保としてあることもあり、金融機関は融資に対して審査基準を比較的軟化させている傾向があります。

 

そのため最近では融資のハードルが下がっており、結果として不動産評価以上の融資を行う「過剰担保評価」のもとで、返済能力を超える融資も増えています。

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