今回は、介護事業の成功に「後継者教育・幹部教育」が不可欠な理由を見ていきます。※本連載は、社会保険労務士、社会福祉士の資格を活かしたコンサルタントで、「福祉介護業界」に特化した人事制度や労務管理へのアドバイスを全国の顧問先で行う、株式会社シンクアクト代表・志賀弘幸氏の著書、『ビジネスとしての介護施設』(時事通信出版局)の中から一部を抜粋し、介護施設の経営改善策を解説していきます。

組織規模を拡大しているのは「良いNo.2」がいる会社

前回の続きです。

 

一方で、介護事業へ新規参入した企業でも同じように、後継者教育やNo.2の幹部教育が重要になっています。私の顧問先においても、良いNo.2のいる会社は組織規模を拡大しています。

 

兄弟で経営しているデイサービスや、大学時代の先輩後輩で有料老人ホームを経営している会社、介護経営勉強会で知りあった志を同じくする同志で有料老人ホームを経営していたりとさまざまな形態はありますが、コンビで経営している会社の業績は、比較的良いところばかりです。

 

経営者とNo.2(番頭さん)という2トップ体制は成功の法則になってきています。成功の法則のベースには、「お互いの信頼関係」、「お互いに尊敬している」というものが必ずあります。No.2から社長を見れば「さすが社長、尊敬します」という気持ちが、また社長からNo.2を見れば「さすが専務、頼りになるわ」という信頼があるのです。

会社の将来のイメージは常に共有を

しかし、No.2との関係が上手くいかなくなることも想定しておかなければなりません。暖簾分けやFC化などの前向きな独立であれば良いのですが、残念な独立をする場合もあります。またNo.2が独立するときに、同じエリアで独立することもあります。

 

介護業界は、働く人もその地域から、ご利用者もその地域からという非常に地域性の高い事業形態を取っています。独立する際に、スタッフを引き連れて独立したとか、仲の良いご利用者さんも一緒に移動したなどの話も少なくありません。

 

法的な効力についての意見は分かれるところですが、あるデイサービスでは就業規則に「競業避止条文」を盛り込み、誓約書で提出させている事業所もあります。No.2の番頭さんとどのような会社にしていくのか、常にイメージを共有することが、これからますます重要になってくるでしょう。

ビジネスとしての介護施設

ビジネスとしての介護施設

志賀 弘幸

時事通信出版局

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