今回は、株価の「傾向」を判断する材料となる、「移動平均線」の見方を解説します。※本連載では、株式会社日本トレード技術開発・代表取締役 冨田晃右氏の著書、『ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、チャートの正確な分析のための道具となる「9つの買いパターン」について解説していきます。

株価の方向感を把握できる「移動平均線」

移動平均線があらわすのは、株価の方向です。平均値の数値を取る期間が長いほど長期的な方向性をあらわし、短いほど短期的な方向性をあらわしていると考えましょう。数日単位で見ると、株価は上がったり下がったりして方向感が無いように見えます。しかし、もっと長い期間で見ると、株価がいったん上向き出すとしばらく上がり、いったん下向き出すとしばらく下がるという傾向があることが分かります。

 

そして、その「傾向」を判断するための材料が、移動平均線です。だからこれを見ていると「いったん上がり出したからこの先しばらくは上がり続けるな」という予測ができるというわけです。

「ダマシ」に引っかからないためのコツ

「移動平均線よりも株価が上にある」というのは上昇トレンドを示すひとつの指標です(図表1)。ただ、トレンドをひとつの移動平均線だけで判断するのは危険です。必ず2つ以上の期間のものを組み合わせて判断するのが、いわゆる“ダマシ”に引っかからないためのコツです。具体的に言うと、日足なら25日と75日、週足なら13週と26週、月足なら12か月と24か月という組み合わせがお勧めです。短期の方向性と中期の方向性と長期の方向性を総合的に見るほうが、やはり精度は高まるからです。

 

[図表1]

1 ‐ 1(4813 ACCESS・日足・2016.10 〜2016.12)
 (4813 ACCESS・日足・2016.10 〜2016.12)

 

株価が移動平均線より上にあるのはいいのですが、離れすぎているのは危険です。高値の警戒感から下げに転じる可能性が高まります(図表2)。

 

[図表2]

1 ‐ 2(3237 イントランス・日足・2016.10 〜2017.2)
  (3237 イントランス・日足・2016.10 〜2017.2)

本連載は、2016年5月29日刊行の書籍『ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業』から抜粋したものです。稀にその後の法律、税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業

ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業

冨田 晃右

ぱる出版

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