株価の方向感を把握できる「移動平均線」
移動平均線があらわすのは、株価の方向です。平均値の数値を取る期間が長いほど長期的な方向性をあらわし、短いほど短期的な方向性をあらわしていると考えましょう。数日単位で見ると、株価は上がったり下がったりして方向感が無いように見えます。しかし、もっと長い期間で見ると、株価がいったん上向き出すとしばらく上がり、いったん下向き出すとしばらく下がるという傾向があることが分かります。
そして、その「傾向」を判断するための材料が、移動平均線です。だからこれを見ていると「いったん上がり出したからこの先しばらくは上がり続けるな」という予測ができるというわけです。
「ダマシ」に引っかからないためのコツ
「移動平均線よりも株価が上にある」というのは上昇トレンドを示すひとつの指標です(図表1)。ただ、トレンドをひとつの移動平均線だけで判断するのは危険です。必ず2つ以上の期間のものを組み合わせて判断するのが、いわゆる“ダマシ”に引っかからないためのコツです。具体的に言うと、日足なら25日と75日、週足なら13週と26週、月足なら12か月と24か月という組み合わせがお勧めです。短期の方向性と中期の方向性と長期の方向性を総合的に見るほうが、やはり精度は高まるからです。
[図表1]
株価が移動平均線より上にあるのはいいのですが、離れすぎているのは危険です。高値の警戒感から下げに転じる可能性が高まります(図表2)。
[図表2]