実 録 このCASEの悩みの声
「クレジットカードの支払いが毎月意外と多い」
クレジットカードは「自分が今いくら使っているか」家計状況が把握しにくく、毎月請求書をみて青ざめていました。
「大学入学を控えた子どもの学費負担が心配」
学部にもよりますが、大学では国公立であっても4年間で約250万円ものお金がかかります。まずは初年度の準備金を確認しましょう。
「住宅ローンの支払いの負担がまだまだ大きい」
住宅ローンの返済が残っていると、増えていく教育費との負担もあり、貯蓄に回せるお金はさらに少なくなります。一度借り換えの検討を。
歴史的な低金利の今、住宅ローン借り換えのチャンス
60歳を定年退職と考えると、50代は老後に向けて資金を貯める最後のチャンスと言えます。しかし一方で、子どもが高校〜大学生の間は、人生のなかでも最もお金を貯めにくい時期です。
とくに学校関連の出費が多い年度初めなどは、月々の家計は貯金だけではまかないきれず、貯蓄を取り崩す分も出てくるかと思います。ただ、教育費がかさむのはどの家庭でも起こり得ることなので、悲観しても仕方がないと割り切りましょう。
目を向けたいのはほかの固定費です。住宅ローンの借り換えをしたのがだいぶ以前の場合や、借り換えをしたことがない家庭は、現在の歴史的な低金利は大きく返済額を減らすチャンスもあります。ぜひ一度金融機関の窓口やホームページで、借り換えをシミュレーションしてみましょう。ただ、借入残高などによっては手数料が返済額差を上回ることもあるので、「借入残高1000万円」「借入期間10年」「金利差0・5%」を基準にチェックしてみましょう。
また、見直しを検討したいのは生命保険です。基本的に万一の際の必要保障額は、子どもが小さいときほど大きく、独立に向けて金額は小さくなっていきます。
アカウント型と呼ばれる大手生保のパッケージ型の商品は保険料が高く、保障内容が広く浅いという特徴があります。
保険を見直し、夫のお小遣いはプリペイドカードに
このCASEの家庭の場合、アカウント型の保険に加入していました。長男が17歳で独立まで6年ですが、長女はまだ13歳。そのため死亡保障を大きく減らさず、終身型の死亡保障は残したまま、医療保障や定期型の死亡保障の特約は解約しました。ただし終身保険だけでは死亡保障を確保できないので、パッケージ型の特約ではなく、収入保障保険に長女の独立までの10年間加入し、全体のコストを抑えました。
そのほか、夫がインターネットで趣味の買い物をすることが多く、その支払いは家計費からでした。そのため、お小遣いの一部をプリペイドカードに入金し、渡すことを提案しました。その結果、夫のお小遣い費と家計費のすみ分けが進み、家計状況を把握しやすくなりました。
費目のすみ分けを整理することでムダ使いも減り、支出が管理しやすくなりました。
CHECK1 住宅ローンは借り換え
35年で組んだ住宅ローンは、まだ残債が1800万円以上残っていました。まだ今より金利が高い時期に契約したので、ローン借り換えで大きく返済額を減らすチャンスがあります。とくに住宅ローンは「長年この金額を払ってきたから」と放置するのではなく、一度金融機関の窓口に問い合わせをしてみることに。諸経費を含めても、約210万円ほど総返済額を減らすことができました。
CHECK2 被服費・交際費・娯楽費はクレカ払いの隠れ夫費
ネット通販でよく買い物をする夫は、本来小遣いのなかでやりくりする支出も主にクレジットカードでの決済のため、なかなか支出管理できないのが悩み。家計費と夫の費用をすみ分けるため、クレジットカードではなくプリペイドカードによる切り替え、上限を設けることにしました。
CHECK3 生命保険はよりシンプルに
パッケージタイプの生命保険の医療保障特約と定期死亡保険を解約。貯蓄性のある終身型の死亡保険だけを残しました。
CHECK4 夫の小遣いをアップ
夫の小遣いをアップ単純に支出全体を削ろうとするのではなく、まず「どんな費目を小遣いにまとめるか」を決めて、予算管理を整理しましょう。