実 録 このCASEの悩みの声
「住宅ローンの返済が思ったよりも負担で・・・」
30代は初めて住宅を購入する人が多い世代でもあります。家計設計のベースができていないうちに、高額のローンを組んでしまうことも。
「少しでも支出を抑えようと変動費を節約」
食費は特価を求めてスーパーをはしご、コンセントもこまめに抜くなど、節約疲れ気味でした。
「自動車の維持費もじわじわと家計に負担」
代表的な固定費である自動車の維持費は、利用回数を減らしたところで大きな支出削減にはつながりません。本当に必要か見直しを。
住宅ローン、自動車ローン、駐車場代が負担に…
晩婚化が進み、30代で結婚式や新婚旅行、住宅購入を計画する家庭も一般的になりました。つまり、大きな出費が伴うイベントが、年齢的に後ろにずれていると言えます。
ただ、ライフイベントに関わる出費は、ときに選択肢の豊かさを左右する部分でもあるので、私はそこを無理にカットすることはおすすめしません。
しかし、その後の実生活においては、毎月の家計と照らしあわせながら、身の丈にあった出費となっているか少しずつでも修正するのが理想だと考えています。
たとえばこのCASEの場合、住宅ローンのほか、自動車のローンや駐車場代が家計に大きな負担となっていました。子どもを連れての週末のイベントは、居住地によっては確かに車がないと不自由に感じることもあるでしょう。しかしもしそうした制限がないのなら、カーシェアリングやレンタカーなどのサービスを必要なときだけ活用するほうが、コストをカットできる可能性は高まるはずです。このCASEのモデルの方は、自動車の必要性をいったん見直し、思い切って手放すことで毎月の負担が約3万円軽くなりました。
また住宅購入に関して、あとからローン返済の負担の大きさを悔やんでも、残債の関係上買ってすぐに売却するのは現実的ではありません。それよりも、住宅ローンを契約してから3年以上経っているなら、まずは借り換えを検討してみることをおすすめします。金利は年々下落が進み、今では固定金利で1%を切る金融機関もあります(2017年6月上旬現在)。このCASEの場合、借り換えで毎月の返済額は2万円以上も抑えることができました。
「家計の見直しは固定費から」が原則に
このように固定費の大きな削減が進むと、変動費の抑え方にも変化が出てきます。
というのも、固定費が大きい家庭はその支出を「必要経費」と思い込み、ケチケチとした節約に意識を向ける場合がとても多いのです。そのため、固定費カットで家計だけでなく心にもゆとりができ、「スーパーはセールの日に必要以上に買いだめしてしまう」というような焦りから生じる逆効果の出費も、抑えることができます。苦しいときほど「家計の見直しは固定費から」という原則を思い出してみましょう。
CHECK1 セールの日に必要以上に買いだめ
変動費を抑えるため「特価品を狙う」という買い物の仕方は、実はあまりおすすめできません。というのも、セール日ごとにスーパーに足を運ぶと「特価品以外の買い物が増える」失敗を招きやすいからです。このモデルの方の場合、セール日の買いだめではなく、「食材が足りなくなったら必要な分だけ適宜買い物をする」というごく普通の生活スタイルを取り戻すことで、意外にも大きな削減につながりました。
CHECK2 学資保険にも加入
死亡保障とは別に、子どもの学費積立のために学資保険にも加入している。
CHECK3 日用品も安いから購入
常に底値買いを意識。いつか使うものだからとストックしていました。
CHECK4 ローンは借り換え
固定金利2.5%から0.9%の返済プランに借り換え、毎月の返済額ダウン。
CHECK5 カーシェアリングに乗り換え
月に1~2度週末に乗る程度だった自動車は思い切って売却しました。
CHECK6 必要な保障の見直し
夫の死亡保障に追加して、妻も死亡保険に加入しました。
CHECK7 お金のかからないレジャーをリサーチ
動物園や博物館など、無料で楽しめるところを探すなどレジャーを見直し。