インターネットでの購入は手軽だが、トラブルの心配も
前回の続きです。
2つ目の方法は、インターネット。インターネットは、いまや生活に欠かせないものとなっています。日用品を売るスーパーがネットショップを出店するように、アンティークコインもまた、それぞれのディーラーのウェブサイトを通じて購入できる時代なのです。
日本国内だけでなく世界中のディーラーから、いつでもどこからでもコインを手に入れることができるインターネット。その一番の魅力は利便性の高さです。さらに短時間でさまざまなコインの情報を収集できるのも魅力のひとつとなっています。しかし、魅力が多い反面、トラブルに見舞われる危険性も低くはありません。
一昔前に比べればセキュリティシステムが向上しているとはいえ、インターネットを利用するときにとくに用心したいのが、個人情報の流出です。気をつけようがないといえば、それまでですが、ネットセキュリティの安全性を信用しすぎないことが大切。国内外を問わず、インターネットを利用したやり取りでは、情報の取り扱いにはなによりも神経質になるべきといえます。
次に、コインの取引で直接手に取ることができず、ウェブサイトの情報のみが頼りという点も大きなデメリット。そのため、実際に手元に届いたものが予想と異なっていることも十分考えられます。前述しましたが、海外では客観性が高いと思われている第三者機関によるグレード付けが一般化していますが、絶対的ではないので注意が必要です。そこから発生するトラブルは完全に防ぐことは難しいため、インターネットでのコイン収集は、審美眼が鍛えられてからの利用をおすすめします。
また、インターネットで情報を得たうえで、もし直接コインを見に行けるようならば、ぜひ足を運んでください。モニター上で見るのと、直接目にしたときでは見え方がまったく違うからです。
珍しいコインに出会うこともあるオークション
最後に紹介するのは、オークションです。オークションという手法は、コイン収集の醍醐味といっても過言ではありません。また、ディーラーが主催するオークションは珍しいコインを手に入れることのできる絶好の機会でもあります。
オークションには、大きく分けて2タイプあります。
まずは、誰もが思い浮かべるような、大勢が一堂に会して入札額を競り合う公開オークション(パブリックオークション)。熱心な競合相手がいると、どんどんと入札額が値上がりしていくスリリングさが魅力です。
ただし、場慣れしていないと流れにのまれ、当初考えもしなかったとんでもない額まで入札してしまう可能性もなきにしもあらず。だからこそ、初心者が積極的に入札することは、あまりおすすめできません。
しかし、会場独特の雰囲気を味わうために、一度参加してみるのはよい経験になるでしょう。
オークションにはもうひとつの方式があります。それが、非公開型の郵便(メール)入札方式です。これは、落札希望価格を入札者が各々に入札し、そのなかからもっとも高額だった人が落札するというものです。こちらは競争相手がわからないため、冷静な入札が可能といえます。
オークションはディーラー主催で、通常、年に数回行われています。珍しいコイン―オークション・アイテムが出品されるので、収集し始めたコレクションの穴を埋めるためにも、ぜひ活用したいものです。
また、本格的なオークションとは異なりますが、近年では、なんでも取り扱うインターネットのオークションサイトにもアンティークコインが出品されるようになりました。しかし、専門家ばかりではなく誰でも手軽に出品できることから、偽物や程度のよくないものが出品されている可能性もあります。もし利用されるとしても、十分注意しなければならないのは当然です。
ディーラーから直接購入する、オークションに参加する、インターネットを利用する―コインのコレクションを始めるための3つの収集手段をご紹介しました。
もちろん、それぞれに長所、短所がありますが、なかでも、コイン収集の入り口としてもっともおすすめしたいのは、やはりディーラーから購入する方法です。その理由は一番確実で間違いがないから。またIAPN加盟のディーラーは、万が一贋物と判断された場合には、無期限で返金保証します。ディーラーを通した安心安全な取引を入り口とし、コレクションを徐々に増やしてコインをみる目を養ったうえでインターネットやオークションを利用し、珍しいコインをご自分のコレクションの一員にしてください。
[写真]オークション会場の様子