コインのグレードを決めるプロセスとは?
コインの鑑定を行い、客観的な価値の基準付けをする―それが鑑定会社の役割です。実際のところ、その役割は、アンティークコインの資産価値の維持にも一役かっています。ただし、鑑定会社の仕事はオークション会社と補完しあう側面を持っています。その一番のポイントは、コイン取引マーケットを安定させるという面です。
ディーラー、コレクターはもちろん、鑑定や出品手数料で利益を計上している鑑定会社やオークション会社も「コインの価値が下がってほしくない!」という点は変わりません。では、その目的のために鑑定会社、オークション会社はどのような機能を果たしているのでしょうか。
まずは、オークション会社の役割。彼らは、コレクターにコインの出品を促します。もちろん、必要なのは一般のコインではなく落札価格の上昇が期待できるコイン。そのコインが出品価格を上回って落札されれば基準価格が更新され、資産価値の水準が上昇します。
次に、鑑定会社です。鑑定会社の鑑定結果は、その時点での購入者に安心を与えることに加え、コレクターにメリットを生み、さらに取引価格にも大きく影響します。たとえば、30年ほど前に鑑定を行ったコインでも、再鑑定によって状態評価が上がるとコイン価格の上昇につながるということは少なくありません。つまり、最新鑑定でコイン価値は現状に即したものに変わるのです。
オークションと鑑定というふたつの事業が、コインの価値を維持、上昇させているといえます。
※鑑定会社の鑑定評価はあくまで参考で、絶対的なものではありません。
鑑定コインを取り扱う「ディーラー」の選び方
ディーラーは鑑定を受けたコインを一般向けに販売する直接の担当といえます。実際、コイン収集をこれからスタートしようという方にとっては、専門家であるディーラーほど頼りになる存在はないといって過言ではありません。
では、そんな頼りがいのあるディーラーと出会うには、どのようにすればよいのでしょうか。
コインについての造詣が深いことはもちろん、それに加え、ディーラーのよし悪しの判断は、つねに最新情報に敏感で、コインやその業界についての知識に貪欲かどうかによっても左右されます。
アンティークコイン収集には、情報が非常に重要です。情報収集を欠かさないディーラーは、当然のことながらコイン関連の参考文献やカタログを豊富に取り揃えています。そういった知識を持つ洗練されたディーラーと付き合っていくことで、コレクター自身の知識も増えます。
試しに「こういったコレクションをしたい」などといった希望をぶつけてみてもいいかもしれません。豊富な知識を持ったディーラーであれば、十分な情報や業界の状況をもとに的確に相談にのってくれるはず。そこからも、ディーラー個人の力量が判断できます。一方、最新情報を知らなかったり、知識に疎いディーラーと付き合っているようでは、コレクターにとってはなんのメリットもないばかりか、むしろ不利益にしかなりません。
またもうひとつ、別の観点からもディーラーのよし悪しを測ることは可能です。その目安は資金力。たとえば、ディーラーのなかには、オークションを主催しているところがあります。オークションというものは、会場のレンタルから始まって、出品コインのカタログ印刷など少なくはない費用が必要になります。当然、主催するディーラーにはそれだけの資金力があることになりますから、多くのコレクターに信頼され頼りにされてきたと判断することもできるわけです。