慎重に臨みたい、海外ディーラーとの取引
価値あるコインはどうしても高額になります。当然、購入の際には細心の注意を払わなければなりません。ここでは、アンティークコインを買うときの注意点をご説明しましょう。
後述しますが、一般的にアンティークコインの収集方法は、ディーラー、インターネット、オークションの3パターンといえます。三者三様、どの手段もそれぞれメリット、デメリットがありますが、注意しなければならない点については共通しています。
まずひとつ目は、将来資産価値が上昇するコインについて。これは希少性とグレードの高いものに可能性があります。同じコインでも、状態により評価が変わってくるのはすでに説明したとおり。単なるコレクションとして手元に置いておこうと考えるのなら別ですが、資産運用や相続を考えてアンティークコインを収集したいと考えるならば、その点を十分意識しなければなりません。
そのうえでコレクションが進んでくると、珍しいコインを求めて海外ディーラーとの取引をスタートする方も出てくるはずです。いまやインターネットは一種の社会インフラとなり、以前に比べればはるかに簡単に海外からの情報を入手したり、コイン取引を行えるようになりました。しかし、海外ディーラーからコインを購入する際は、国内での売買とは比べられないほど慎重さを持っていただきたいのです。
商品説明には「出品者の主観」が混じっていることも
最も大きな問題は、直接、取引価格相応のコインかどうかを確かめられないことです。コインには販売者によるグレードが明示されています。とはいえ、商品説明に出品者の主観が混じっていることもあります。その結果、いざ受け取ってみると、思っていたよりも状態がよくない――海外とのやり取りではそんなことも出てきます。高額な取引が普通ですから、そのまま泣き寝入りをするわけにもいきません。納得できる解決には交渉を重ねる必要があります。しかも、そのような可能性を未然に防ぐことは、簡単ではないのです。
またトラブルの種は、コインの状態のよし悪しだけではありません。決済時に問題が発生することもあります。最近はそれほど聞きませんが、覚えのない支払い請求や、請求書の金額が間違っているようなこともあり得ます。とくに、その手の問題はディーラーと面識がなかったり、付き合いが短い場合に起こりがち。間違いを訂正してもらうのに数カ月・・・。しかも、何度もやり取りをして、ようやく解決に至るというケースも少なくないようです。
アンティークコインは、自分の資産を次の代へと残してくれる大切な財産。その購入取引は、どれだけ慎重になってもそれで十分ということはないということを覚えておいてください。