注目された「大型減税や規制緩和、大規模インフラ投資」
注目度が高い経済状況や政治情勢などは「テーマ」と呼ばれ、その時々の為替相場に非常に大きな影響力を持ちます。
2017年の為替相場を大きく揺るがす一大テーマといえば、米国新大統領に就任したトランプ氏の経済政策以外ありません。
当初は排他的な保護主義や反移民政策が警戒されていたトランプ氏でしたが、いざ大統領に当選すると「大型減税や規制緩和、大規模インフラ投資」といった経済政策が一躍、注目されました。
ネガティブなシナリオに注目が集まる可能性も
トランプ氏の政策実現には、米国債を大量に発行して財政出動する必要があります。そうした思惑から供給過多になりそうな米国債が売られて、逆に長期金利は上昇。米国の中央銀行FRBもインフレを抑え込むため、利上げペースを早めそうです。今後、トランプ氏の経済政策で米国の景気が爆発的によくなり、金利も上昇するという期待感から2017年も米ドル独歩高が続きそうです。
むろん、トランプ氏が強硬な保護主義政策や対中国強硬論を打ち出して世界経済が大混乱に陥る、というネガティブなシナリオに注目が集まる可能性もあります。
このように、「トランプ新大統領誕生」という新イベントから数々の連想を働かせ、未来予想を複数のシナリオに落とし込んだものが「テーマ」の本質なのです。