米国での雇用創出を拡大する「インフラ投資」
トランプ大統領は議会演説において、「国家を再建設する時が来た」と述べ、道路や橋、トンネル、空港や鉄道など総額1兆ドル規模のインフラ投資に取り組む姿勢を示した。新たなインフラ投資は「数百万の雇用を生み出す」としており、米国での雇用創出を拡大するには譲れない分野であると考えられる。
大規模インフラ投資の財源としても想定しているのが「本国投資法」、いわゆるレパトリ減税となる。企業が海外で儲けた資金を国内に還流させることを目的とするもの。トランプ大統領では、国内還流時まで認めていた延期措置を廃止するとともに、税率を現状の約40%から15%に引き下げる(最初の1回限りで10%を適用)ことを提案している。ちなみに、海外に滞留している現地通貨建ての利益は2.5兆ドルとも言われている。
拡大する防衛費・・・輸送用機器メーカー等に注目
トランプ大統領は地方銀行の最高経営責任者(CEO)らとの会談で、金融規制改革法(ドッド・フランク法)で導入された規制の一部を取り除くなどと確約。ウォール街を代表する金融機関が、これまで同法によって活動を大きく制限されてきていた。「ボルカールール」の緩和などが焦点となる。
トランプ大統領は政府予算の編成方針「予算教書」について、「軍事費を歴史的規模で拡大させ、衰えた米軍を再建させる」と述べている。軍事費を9%増額し、他の政府機関の予算を削減して相殺する方針。日本などの同盟国に対しても防衛費の拡大を暗に要求する状況とも捉えられる。