減税やインフラ投資などの政策に期待が集まる
トランプ大統領が就任してから4カ月が経過した。大統領決定直後は、トランプ新大統領の財政政策に対する期待感で株価は大幅に上昇、米国株のみならず、日経平均も11月9日の安値から1月4日の高値まで22%の上昇を記録した。
ただ、その後の日経平均の上値は重く、5月15日現在まで、狭いレンジでのボックス相場が続く格好になっている。
5月中旬にかけて日経平均は高値を更新してきているが、欧州情勢への安心感が主因であり、引き続きトランプ大統領の政策に関しては、やや期待値が低下している状況にあるとみられる。
ただ、大統領を当選させた立役者の白人ブルーカラー層に対してトランプ大統領は、雇用創出を公約しており、その実現のための政策は確実に遂行していくと考えられる(政策目標として今後10年間で2500万人の雇用創出)。
詳細を記した予算教書は5月に議会に提示される予定となっており、あらためて、減税やインフラ投資、規制緩和などの政策期待が高まる場面は到来することになろう。
その際には、為替の円安進行も交えて日本株も上昇に転じる公算が大きく、とりわけ、トランプラリーで買われた銘柄群などが上昇相場を主導することになろう。
パフォーマンスが優れるのは金融関連株や設備投資関連
トランプ関連銘柄をテーマ別に示したのが以下の図表、トランプラリー時(16年11月9日〜17年1月4日)の株価パフォーマンスごとに区分している。
図表から総じていえるのは、金融関連株や設備投資関連のパフォーマンスが優れており、一方、防衛費拡大や関税、個人消費に関連する銘柄は相対的に出遅れた印象がある。また、関連の中小型株よりも主力株のパフォーマンスが高くなっている。
今後、トランプ大統領の政策の比重がどこに置かれるかによって、テーマごとのパフォーマンスにばらつきが生じていく可能性も高く、関連銘柄がどの位置づけにあるのかを把握しておくことは必要だろう。
また、今後、トランプ政策への期待再燃で関連の大型株が買われた後に、その分野での中小型株に関心をシフトさせていくことも妙味になると判断される。
[図表]トランプ関連銘柄業界地図