写真:GTACスタッフ

急激な都市化と経済発展によって、スリランカにおいてもコンドミニアム開発が盛んになってきています。しかし途上国での不動産投資には、先進国とは違ったリスクも存在します。購入を検討する現地の消費者に向けた、コンドミニアム購入の注意点をまとめた現地の記事をご紹介します。

拡大し始めたスリランカのコンドミニアム市場

スリランカにおけるコンドミニアム市場は、より多くのデベロッパーの参入によって開発が進んでおり、買い手にとっては多様な選択肢を享受できる環境が整い始めている。しかし購入者は、権利関係や不動産会社の財務の健全性を十分に確認してから契約をするべきだと、業界関係者が注意を喚起した。


    
「消費者の意識は変化し、コンドミニアムのもつ価値を認識されつつあります。コンドミニアムに対する懸念は解消され、コンドミニアム市場は投資家とデベロッパーにとってもチャンスがあふれており、多くのデベロッパーが参入してきています。そのため購入者にとってはさらに幅広い選択肢を得られるようになっています」とデベロッパーであるPrime Lands社のBrahmanage Premalal氏は言う。

 

しかし、コンドミニアム購入にはリスクがあり、購入者はこれらのリスクを最小限に抑えるよう注意すべきであると同氏は警鐘を鳴らした。

 

「購入者は多額のお金を使う訳ですから、慎重であるべきです」同氏は、不動産情報サイトのLamudiが主催した年次の不動産会議でこう語っている。

 

ここで言うリスクには、工事の未完了、納期の遅れ、または品質基準に満たないというものがある。そして不動産の完全な所有権が曖昧だった場合には、訴訟問題に発展する可能性もある。多くのデベロッパーは、資金繰りをプリセール※に頼っているため、不動産会社が破綻するリスクもある。


「大半のマンションはプリセールによって販売されるため、購入者が実際にその物件を手にするのは契約から2~3年後になります」と同氏は言う。


「そのため購入者はバックグラウンドを詳しく調べたり、以前に実施したプロジェクトを調査するなどして、デベロッパーについてよく知るべきです」

権利証書の改ざんといったリスクにも注意

また同氏は、一部の不動産には悪質なものもあるので、購入者は不動産の権利関係もきちんと確認しなければならないと注意を促した。


「不正に改ざんされた権利証書を渡される場合もあるかもしれません」と同氏は話す。「土地の登記情報を調べるだけでなく、正確な情報を聞き出さなければなりません。そのデベロッパーがその不動産の所有者であるのかを確かめるのです」
    
「争議になる可能性もあります。不動産開発には多くの資本金が必要ですが、デベロッパーに土地を購入するための財政能力がない場合もあります。デベロッパーはプリセールで得た購入者からの資金に頼って建設を進めるので、途中で頓挫するかもしれないのです」

 

※プリセール
物件が完成する前から販売を開始し、得た購入資金をもとにして建築を進めていく手法。一般的には完成後の価格よりも割引かれた価格で購入できるケースが多い。

この記事は、GTAC提携のスリランカのニュースサイト「EconomyNext」が2015年10月26日に掲載した記事「Sri Lanka’s apartment market booming, but seen rife with risks」を、翻訳・編集したものです。

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