安く買い、高く売る・・・投資手法としてはシンプル
「ちなみにハイリスク・ハイリターンの商品も知りたいんですが・・・」
「えっ、ダメだよ。Mさんはやらないほうが身のためだからね」
「も、もちろん、あくまで後学のためです。それに1つ質問が・・・」
「どんな質問・・・?」
「どうして株式投資がハイリスク・ハイリターンなのかなって。たしかに上がるか、下がるかだけなので、リスクはありますけど、ハイリスクではない気がします。むしろ、最もポピュラーな投資法だと思うんですけど・・・」
「安く買って、高く売る。たしかに投資の手法としては極めてシンプルだよね。じゃあ、Mさんの質問に答える前に、私からも質問したいことがある」
「いいですよ」
上場企業3500社以上…自力で「成長株」を探せるか?
「東証一部に上場している企業の数は、どれだけあると思う?」
「・・・全然わからないです」
「じつは1900以上ある。じゃあ、上場企業全体は?」
「2000くらい、ですか・・・?」
「3500社以上ある。それぞれの株は上がったり、下がったりを繰り返していて、ブレ幅が極めて大きい。そんな個別銘柄のなかから成長株を見つけられる? さらに、ブレ幅が大きい株式に資金のすべてを投じると、どうなるかな?」
「大儲けできるかもしれないけど、失敗したら大損をしてしまうかもしれない?」
「むしろ損をしてしまうことのほうが多いだろうね。それこそハイリスクだよね。まさに、丁半博打の世界じゃないですか。これでは安定して利潤を上げ続けることはできませんよね」