主要な駅に近く、人口が増加する地域を狙う
前回の続きです。では、実際にどんな物件を選ぶと良いのでしょうか。まず大切なことは賃貸収入が将来的に見込める地域であることです。具体的なポイントとしては以下のようなものがあります。
①賃貸ニーズが旺盛な地域
近くに主要な駅があるなど、賃貸住宅として一定の需要がある地域
②将来的に人口が増えると予想される地域
都心部や、将来的に人口流入が予想される地域
③ブランド力のある街
東京都心、大阪市、京都市など。その街のなかでも交通アクセスが良く特に若い単身者に人気のある地域
④特別区域
先端医療開発特区(スーパー特区)など、国の政策により医療系企業が集結し、そこで従事する研究者などにニーズがある地域(神戸市など)
まとめると、主要な駅に近く、少子化に逆らって人口が増加、あるいは変わらない地域。または、単身者に人気がある地域の物件を選びましょう。もし退去者が出たとしても、次の入居者が決まりやすい単身者向けのほうがファミリータイプよりも投資効率が上がります。回転率が不動産投資の良し悪しを決めます。
また、地域リスクを低減するためには、リスクの高い一棟買いよりも、複数の区分所有で購入するほうがリスクを分散できます。
最大の問題「空室リスク」をどう回避するか?
収益用不動産は、コアとなる資産に適している以上、メリットだけではなく存在するデメリット(リスク)についても、きちんと認識して管理しながら投資をしなければなりません。
収益用不動産にはいくつかのリスクがありますが、最大の問題は「空室リスク」です。特に、少子高齢化による人口減少が進んでいくことが予想されている日本では、空室リスクの回避を最優先に考える必要があります。具体的には、次の3つが重要になります。
①立地
駅に近いといった「立地条件」に優れた不動産を選ぶ
②物件
世相に合った間取りや設備が整備されているなど、地域の入居者に選ばれるもの
を選ぶ
③管理
資産価値を長期維持するため管理会社がしっかり管理している
立地、物件、管理の三拍子が揃った物件を選択することで、長期空室リスクは大きく低減できるはずです。
その他にも、天災や物件の老朽化、金利の上昇といった様々なリスクが不動産投資にはありますが、たとえば地震や台風といった天災は、損害保険などに加入することでリスクを軽減できます。物件の老朽化などについても、転売やリノベーション(改装)といった方法で事前に対応することでリスクはコントロールできます。
ローンを組んで購入する場合、金利の上昇については、借り換えでの対応ができますが、莫大な財政赤字を抱える日本の場合、金利高は政策的に抑えざるを得ないために現実味は少ないかもしれません。また、金利は上がったとしても、同時に景気も好転していくことになり、不動産の賃貸料も上昇していくことになります。バブルのような急激なインフレや不動産価格の高騰といった事態にさえならなければ、リスクは低いと考えていいのではないでしょうか。
また、ローンの返済期間中に病気や死亡などによって、ローン返済が困難な状況に陥る可能性もリスクのひとつになります。不動産を購入してローンを組む際には、本人の死亡や高度障害を負った場合に返済義務がなくなる「団体信用生命保険(以下、団信保険)」への加入を借入の条件としている金融機関がほとんどです。少なくとも自分に万一のことがあった時に、不動産ローンの残債をなくすことができるわけです。
最近の団信保険は、金融機関の競争が激しいこともあり、かなり好条件の団信保険を用意しているところが増えています。死亡保障や高度障害だけではなく、優良物件には「3大疾病」「5大重度慢性疾患」に対する保障を付けた「8大疾病保障付き住宅ローン」、あるいは要介護状態になった時に保障される「介護保障付き団信保険」などが普及しています。
従来の団信保険では、死亡時もしくは高度障害時のみ保険金が支払われてローンの残債が消滅する補償内容でした。
そのため、要介護状態にもかかわらずローン返済を続けなくてはならない事態に陥ることがありました。それが最新の団信保険であれば、要介護状態になればローンの残債がすべてなくなり、さらに賃貸収入が入ってくる。また、ほとんどの開業医が加入しているほぼ掛け捨ての休業補償代わりに、8大疾病対応のローンを付帯した不動産運用をされている方も多くいます。
こうした団信保険を使うことで、不動産投資のリスクは大きく減らすことができるという
ことです。