書籍詳細

『公認会計士&税理士のためのスタートアップ支援税務のススメ』

公認会計士&税理士のためのスタートアップ支援税務のススメ

石割 由紀人

出版社名:幻冬舎メディアコンサルティング

発行年月:2025年4月

税務によるスタートアップ支援で新たなキャリアの扉を開く!

単調な税務から脱却し、創造的な仕事で社会貢献と自己成長を実現する!

急速なデジタル化により、会計・税務の世界も大きな変革期を迎えています。監査業務や税務申告といった定型業務はAI技術の進化によって自動化が進み、公認会計士や税理士が従来型の業務だけに依存していては、将来的な活躍の場が限られる可能性があります。また、「監査業務は単純作業の連続でやりがいが感じられない」「節税の相談ばかりで世の中の役に立っている実感がない」といった悩みを抱え、将来のキャリアに不安を感じている会計士や税理士も少なくありません。こうした状況の中、会計専門家の新たなキャリアとして注目されているのが「スタートアップ支援税務」です。これは従来の会計・税務サービスの枠を超え、ベンチャー企業の成長を総合的にサポートする専門分野です。
この税務が注目を集めているのは、政府の「スタートアップ育成5か年計画」の推進により、2023年には全国で過去最多となる15万2860社の新設企業が誕生し、大学発ベンチャーも3782社と増加の一途をたどっていることが背景にあります。この成長市場における会計・財務の専門家へのニーズは拡大しており、会社設立時の最適な資本構成の助言、投資ラウンドごとの税務戦略の立案、上場に向けた内部統制の整備、グローバル展開時の税務リスク管理など、企業の発展段階に応じた高度な支援が求められています。これらの業務は経営判断と密接に関わるため、会計人の専門知識が直接企業価値の向上につながる領域といえます。
著者は公認会計士として大手監査法人勤務後、税理士法人での国際税務、スタートアップ企業CFO、ベンチャーキャピタルでの投資業務を経験し、スタートアップ支援税務に特化した事業へと転身しました。2016年以降、「HEROZ」「AVILEN」「Creema」など30社超のIPOに関与した実績を持ち、スタートアップのライフサイクル全体を通じた税務支援のエキスパートとして活躍しています。
本書では、著者の豊富な経験をもとに、スタートアップが直面する財務・税務の課題に対する支援業務を具体的事例とともに紹介しています。変化の激しい時代において、会計専門家が自身の知識を戦略的に活かし、社会的意義とやりがいを両立させながら新たなキャリアを築くための実践的なロードマップが詰まった一冊です。

はじめに

[第1章] 狭き門を通過したものの、将来のキャリアに不安や悩みを抱える公認会計士&税理士たち

公認会計士のキャリア選択
監査業務に対して感じたモヤモヤ
ポジティブな要素を求める公認会計士のキャリアチェンジ

[第2章]  専門知識を活かすステージはスタートアップにある!
公認会計士&税理士のキャリアチェンジのススメ

代表的な業務を分類する
① スペシャリスト志向か、ゼネラリスト志向か
② チームで働くか個人で働くか
③ スポット契約か継続契約か

スタートアップ支援における税理士事務所としての位置づけ
スタートアップ支援税務の特徴
スタートアップ支援税務に向くタイプ
スタートアップ支援税務にたどり着いた公認会計士の事例――私の場合

[第3章]  CFOや経理部長とは異なる「スタートアップ支援税務コンサルタント」の魅力

スタートアップとは
① 革新的なイノベーションにより、大規模な市場を創造し、社会課題解決を目指す

スタートアップはニッチベンチャーではない
② 「J型」で指数関数形となる成長曲線を描き、短期での成功とエグジットを目指す

スタートアップの事業が成功する前提は、PMFを満たすこと
③ リスクマネー(エクイティ)が財務基盤となる

投資をする側の論理を理解する必要がある

株価にも影響するスタートアップのエクイティストーリー
① プレシードステージ:事業構想を練る
② シードステージ:会社を立ち上げプロトタイプを作る

ファイナンスは自己資金が中心だが、エンジェル出資が受けられることもある
③ アーリーステージ:資金調達ラウンドが本格的に始まる
④ ミドルステージ:安定した売上・収益を計上し、資金調達額も増大する

調達額は数十億円を超える規模になることも
⑤ レイターステージ:上場準備を具体的に進める

スタートアップの成長段階に応じて変化するスタートアップ支援税務
大企業での監査・会計サポートとスタートアップ支援税務との違い
経営者の参謀となって、会計的な視点や知識から解像度を高める手助けをする
スモールビジネスでの会計・税務支援と、スタートアップ支援税務との違い
スタートアップでは赤字は悪いことではない
スタートアップでは節税策の優先度は低い
資本関連の多様なサポートが早期から求められる
スタートアップの会計処理
スタートアップ支援税務のために求められるリスキリング

[第4章]  IT、人材サービス、福祉……スタートアップ支援税務の実例

起業前から資本政策を意識していたA社の事例
資本政策はスタートアップ成功のための重要な鍵
① 資金調達(主にVCなどからのエクイティ投資)の重要性

株価算定とエクイティストーリー
VCへの割当でよく用いられるみなし清算条項付きの優先株式
② 安定株主対策の重要性

資本政策を考える時期
ストックオプションを導入したB社
ストックオプションはスタートアップが優秀な人材を確保するための重要な武器
経営者によるストックオプション発行計画の策定をサポートする
減資で無駄な出費を減らしたC社
資本金が1億円を超えるとデメリットもある

[第5章]  スタートアップ支援で社会貢献し、自身のキャリアと日本の将来を切り拓く

日本経済のプレゼンスは低下し、国民は貧しくなる一方
危機意識を背景に生まれた「スタートアップ育成5か年計画」
スタートアップ起業は増えている
スタートアップ・エコシステムの成長
会計・税務面でのスタートアップ支援人材が足りない

おわりに

Gemstone税理士法人
公認会計士
税理士
資本政策コンサルト

プライスウォーターハウスクーパースにて監査・株式公開支援、税務業務に従事後、ベンチャー企業CFO、大手ベンチャーキャピタルでの投資業務などを経験。
現在は、Gemstone税理士法人にて、会計・税務、株式公開支援、資本政策、株価算定、デューデリジェンス、会計・給与計算アウトソーシング等のサービスを提供している。
さらに、多数の上場会社の役員、会計・税務顧問等を兼任。監査法人・税理士法人、ベンチャー企業およびベンチャーキャピタルという希少なキャリアに基づく実務経験に根ざしたコンサルティングを展開している。

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