相続においては、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も引き継ぐことになります。今回は、このマイナスの財産の相続について、改めて注意点を考えてみます。

親の財産を単純に相続してもよいのか?

あまり考えたくないことかもしれませんが、もし仮に自分の親が亡くなった場合、みなさんは親の財産を引き継ぎますか?

 

「子供なんだから当然引き継ぐに決まってるだろう」と思われる方も多いと思います。当然です、子供なんですから。子供は「法定相続人」であり、親の財産を引継ぐ権利を持っています。

 

では、もしあなたの引き継ぐ財産の中に借金などのマイナスの財産があった場合は、どうしますか? 残された財産の全てがプラスの財産とも限りません。もし残された財産の中に未返済の借金があった場合、その借金の支払いまでも相続することになり、親の残した莫大な借金を一生かけて肩代わりする、ということにもなりかねません。

 

このように負担したくないマイナスの財産がある場合、人はこれらを「放棄する権利」を「引き継ぐ権利」と同様に持っています。明らかに不動産などのプラスの財産より借金などのマイナスの財産の方が多い場合には、この放棄する権利「相続放棄」を選択したほうが得でしょう。

「限定承認」を活用する場合は期限に注意

ただ、必ずしも親の財産の全てを把握しているとも限りません。どんな財産があるか全くわからない、たしか借金もあったような・・・、というプラスとマイナスどちらが多いのか分からない場合もあると思います。そんなときは、財産は一応そのまま引き継ぐが、仮にマイナスの方が多いときはプラスの財産の範囲内でしかマイナスの財産を引き継がない、といった限定的な相続を行う「限定承認」という制度があります。

 

この制度を利用すれば、相続した挙句、借金まみれで自分の財産から借金返済にあてなければならない・・・なんてことは防げるわけです。

 

ただし、これらの「相続放棄」「限定承認」を選択する場合は、親が亡くなってから3ヶ月以内に諸手続きをする必要があります。仮に何も手続きをしない場合は、プラスの財産もマイナスの財産も全てそのまま引き継ぐという「単純承認」したものとみなされるので、検討が必要な方は注意する必要があります。

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