物件を買えないのは「ヒアリング能力」が低いから
本書の「はじめに」でも触れた通り、私は「加速度的な投資規模の拡大」を常に念頭に置いています。物件を買い進め、キャッシュフローを膨らませていくのが不動産投資の成功につながると考えているからです。
つまり、不動産投資における「成功」に物件の購入は欠かせません。誤解を恐れずに言うと、物件を買えていない人は成功には至っていないというのが私の考えです。
100%そうとは言いきれませんが、物件を買えていない人はヒアリング能力が低いと考えられます。ヒアリングで得られるものは、満室経営できるかどうかの判断だけではありません。不動産投資においての要とも言える「説得力」「交渉力」に大きく関わってくるからです。
言葉の説得力には「具体性」があるほど増す
ヒアリング能力が高いと、賃貸あるいは売買の仲介会社からいい情報を引き出せます。「説得力」「交渉力」がしっかりと身についているため、金融機関からもいい条件で融資を受けられるようになるのです。これが、不動産投資を「成功」へと導く鍵になります。
「説得力」「交渉力」というのは、簡単に言うと「いかに具体的なことを言えるか」です。たとえば、物件情報をもらった際の回答として、次の2つの言葉を見比べてみてください。
●「あの物件は○○銀行△△支店の担当の××さんに評価してもらいましたが、物件の評価が3000万円足りないと言われました」
●「3000万円の融資交渉ができないなら、キャッシュフローが出ないのでパスします」
あなたが仲介会社の担当者なら、どちらに次の物件情報を優先的に渡すでしょうか? その答えは、火を見るよりも明らかだと思います。前者のほうが具体性があり、信頼できる印象を受けるでしょう。つまり、具体性があればあるほど言葉の「説得力」が増すのです。
これは、相手が金融機関でも同じです。その物件を安定して満室経営できる道筋を、具体的な仲介会社名や担当者の名前を出しながら説明できる人と、抽象的な話しかできない人がいるとしましょう。この場合も、担当者が本気になってくれるのは具体的な言葉で語れる前者ということになります。実際に所有している物件が満室経営できている不動産投資家であれば、ますます「説得力」が増します。
具体的で「説得力」がある話をするためには、ヒアリングでさまざまな情報を集めておく必要があります。それこそ現地でリフォーム業者から情報を引き出しておけば、金融機関に対してかなり具体的な話ができるはずです。