前回は、輸出相手国の「経済状況」と「文化的背景」を把握することの重要性について紹介しました。今回は、ヨーロッパ進出の事例に見る「ブランドイメージ」の高め方を見ていきます。

新参ブランドに冷たいヨーロッパだが…

前回の続きです。

 

一方、同じものをヨーロッパに持って行ったときは、それほど売れませんでした。ヨーロッパには、伝統のあるアパレル・ブランドが多いという理由からか、どんなに質が良くても、日本から来た新参ブランドには、市場の反応は冷たかったです。

 

一般的に、新しいものでも懐深く受け入れてくれるのは、ヨーロッパよりはアメリカだと感じます。

 

では、ヨーロッパに進出するのは意味がないかといえば、そうでもありません。たしかに、ヨーロッパの市場は競争が激しいものの、それだけにヨーロッパに販売拠点を持つことがブランディングになることがあります。

ヨーロッパに支店を持つだけで商品イメージが向上!?

日本でもそうですが、歴史と伝統のあるヨーロッパから来たものは、かなり良いイメージで迎え入れられます。ルイ・ヴィトンやカルティエなどの高級ブランドの多くがヨーロッパ発であるのは、消費者がヨーロッパ・ブランドを好むからでもあるでしょう。

 

そこで、日本企業でもヨーロッパ市場に参入したり、ヨーロッパに支店を持つことで、ヨーロッパの良いところを取り入れたり、ブランドイメージを利用したりすることができるようになります。

 

たかがイメージといっても、馬鹿にはできません。たとえ、味の違いがなくても、フランスやイタリアのワインのほうが、チリやオーストラリアのワインよりも高く売れるのが現実です。

 

いずれにせよ、欧米の先進国に輸出するときには、価格のハードルは少し下がるといえますが、文化や生活習慣の違いから、売れるものと売れないものがあるので、その見極めや市場調査はしっかりと行う必要があります。

国内頭打ち商品で利益を生み出す 海外進出戦略

国内頭打ち商品で利益を生み出す 海外進出戦略

田中 義徳

幻冬舎メディアコンサルティング

国内では売上・利益ともに頭打ちで生き残りが厳しく、海外進出を試みても撤退を余儀なくされる――中小企業はどこに活路を見出せばいいのでしょうか。 海外のマーケットでは、日本国内と同様のマーケティング、営業手法で成果…

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