前回は、日本発のユニークな製品で海外市場を開拓した事例を取り上げました。今回は、世界市場を席巻した日本発の「グローバル製品」の具体例について見ていきます。

世界シェアのトップを占める小林製薬の使い切りカイロ

古いところでは使い切りカイロも、日本発の製品で世界に普及しています。1978年にロッテ電子工業(当時)が「ホカロン」の名前で発売して以降、日本中、そして世界中に広がっていきました。

 

この使い切りカイロで世界シェアのトップを握っているのも、やはり小林製薬です。小林製薬は2001年にカイロメーカーである桐灰化学を買収、2003年にほとんど市場が存在しなかった中国へ進出し「暖宝宝(ヌァンバオバオ)」のブランド名であっという間に市場を押さえました。その結果、「暖宝宝」は、日本における「ホッカイロ」のように、製品名なのに普通名詞として使われるようになっています。

世界で年間977億食が消費!? 日清食品の即席麺

このように、日本では当たり前に存在する製品でも、海外ではほとんど売られていないものもあるのです。

 

さらに古いところでは、インスタントラーメンもまた、日本発で世界市場を制したグローバル製品です。1958年に日清食品の創業者、安藤百福が発明したインスタントラーメンは、全世界で年間977億食が消費されるほどのヒット商品になりました。

 

ちなみにインスタントラーメンは、発明協会の「戦後日本のイノベーション100選」のトップ10に、新幹線や家庭用ゲーム機、ハイブリッド車などと並んで選ばれています。

 

同じく、トップ10に選ばれているのが、ウォシュレットです。日本発のユニークな発明品として、TOTOの「ウォシュレット」、LIXILの「シャワートイレ」で知られている温水洗浄便座を外すことはできません。

 

日本では一般家庭の7割に普及しているとされる温水洗浄便座ですが、海外展開はまだこれからといった模様です。

 

そのほか、ソニーのウォークマン、オリンパスの胃カメラ・内視鏡のように、世界を席巻した発明品は、枚挙にいとまがありません。

 

出所:2016 年4 月6 日産経WEST
出所:2016年4月6日産経WEST
国内頭打ち商品で利益を生み出す 海外進出戦略

国内頭打ち商品で利益を生み出す 海外進出戦略

田中 義徳

幻冬舎メディアコンサルティング

国内では売上・利益ともに頭打ちで生き残りが厳しく、海外進出を試みても撤退を余儀なくされる――中小企業はどこに活路を見出せばいいのでしょうか。 海外のマーケットでは、日本国内と同様のマーケティング、営業手法で成果…

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