
今回は、年金の一元化後でも「共済年金独自の仕組み」が残る部分について見ていきます。※本連載では、特定社会保険労務士の三宅明彦氏、三平和男氏、深澤理香氏の共著『年金・医療保険・介護保険のしくみがわかる本〔第2版〕』(法学書院)の中から一部を抜粋し、平成27年に一元化された年金、そして医療保険・介護保険のしくみや手続きの基礎知識を解説します。
「退職一時金」の返還
男女差なし
共済年金は支給開始年齢の延長に男女差はありませんでした。また、特例として20年以上の組合員期間がある警部以下の警察職員(特定警察職員という)及び消防司令以下の消防吏員(特定消防組合員という)については、支給開始年齢の延長が6年遅く適用されました。この点は厚生年金に一元化されても変わりません。
退職一時金の返還
退職をした時に退職一時金をもらった人が、再び同じ共済組合に加入をすると退職一時金を返して年金としてもらうことができました。ただし、加入をした共済組合の期間と退職一時金をもらった期間が合計20年以上になる場合です。なお、返す退職一時金には利子が含まれます。これも変更なしです。
年金原資控除
退職時に「退職一時金」(昭和54年12月31日までの退職時に解約する制度)を受給した人の内、年金原資を残して退職(一部解約)した場合は、退職一時金に利子をつけて返納し、退職共済年金を受給できます。なお、年金原資を残している場合には、退職時に「年金原資控除証明書」が交付されています。
年金の「支給開始年齢」
【図表1】支給開始年齢表~一般組合員~

【図表2】支給開始年齢表~特定警察職員・特定消防組合員~
