絵本は「頭を鍛える」最高のツール
前回の続きです。
もう一つ、早い時期から取り組ませてあげたいのが、本を読むことです。読書もまた頭を鍛える最高の訓練の一つです。特に子ども時代の読書が、大人になってからの意識や能力に影響を与えます。
読書の有効性は明らかです。そこで幼稚園から小学校低学年の子どもに薦めたいのが、親子で一緒に絵本を読み解くことです。絵本には必ず文章に関連した絵が描かれています。文章を読み、さらに絵も読むのです。
絵に込められた「作者の意図」を読み解く
絵を読むとはどういうことか。描かれた絵には、必ず作者の意図が込められています。だから、まず絵の中に何が描かれているのかを一つ残らず子どもに観察させます。次は描かれているモチーフについて、どんな色が使われているのか、絵の中のどの位置に描かれているのか、その大きさはどうなのかなど、絵の細部を読み解かせます。
その上で絵と一体になっている文章をもう一度読みます。読みながら、絵の中に書かれているものの意味を子どもに問うのです。「どうして、これはここにあるのかな」「なぜ、これにはこんな色が使われているのだろう」「もし、この絵にこれが描かれていなかったら、どう思う」といった具合です。
これにより、それまで何気なく眺めていた絵に対する興味が湧いてきます。描かれているものすべてに意味があること、絵と文章の間には関係性(作者の意図)があることなどに気づくようになるでしょう。こうした訓練を続けているうちに、絵がなくても、文章から情景を想像できるようになります。文章を読んでも考える力がしっかりと養われます。