「だまし」が横行する住宅建設業界
「多くの住宅会社は顧客をだまして暴利を貪っている」
これが2002年からのNPO活動で得た私の結論です。
「住宅会社が顧客をだます、とは言い過ぎではないか?」そう思う方もいることでしょう。しかしこれは事実です。嘘だと思うのでしたら住宅展示場に行ってください。そこで出てくる見積書の大半が建設業法の指示に反しています。彼らは法律を無視して契約を取っていると言わざる得ません。その理由は簡単です。
1.客をだましたほうが儲かるから
2.素人は簡単にだませるから
3.法律を無視しても罰せられないから
そして、多くのひとが数百万円から一千万円以上の被害を受けています。それはとてつもなく大きな被害です。
しかし、建設に関する知識のないひとは、自分がだまされたことすら気付きにくいものです。契約前にだまされていることに気付くひと。契約後に気付くひと。完成後に気付くひと。30年経って気付くひと。ずっと気付かないひと・・・。
「これっきりの客」から暴利をむさぼるビジネスモデル
●原因1 住宅建築の業界はぼったくりバーと同じ体質
世の中にはたくさんの商品やサービスが溢れていますが、ほとんどすべての商売がリピート商売であるということをご存知でしょうか?
リピート商売というのは、商品を購入したお客様が再び同一商品を購入することによって、何度も利益を得られる商売のことです。例えば、スーパーやコンビニで買い物をして商品を購入する、美容室で髪を切る、電車に乗る、といったようなことです。意識はしていないでしょうが、何度も繰り返し利用していることに気づくはずです。
企業をはじめ商売を行っている人たちは、リピートしてもらえるようにお客様に誠意を尽くし努力します。何度もリピートしてくれるお客様が多くなればなるほど、安定して利益を得ることができるからです。
このようにリピート商売は「お客様の立場にたった、お客様が喜ぶ商品やサービス」を提供する必要があるのです。もしお客様に「この商品はダメだ」「ここの接客はひどい」などと判断されれば、二度と利用してもらえなくなって、利益を失うことになります。
世の中の商売のほとんどがリピート商売である中、リピートされない商売がほんのわずかですが存在します。有名なのは「ぼったくりバー」です。リピートしなくても良いと思っているお客様を相手に、1回当たりの暴利をむさぼります。
そして残念なことに、「住宅建築」もまったく同じなのです。あなたが家を建てたとします。次に家を建てるのはいつですか? きっと2軒目を建てる予定はないはずです。つまり住宅メーカーにとって、あなたは「これっきりのお客様」になる可能性が非常に高いのです。
「もう二度と顧客として接することはない。それならば、誠実に対応して適切な利益をもらうより、ルールを利用してたくさんの利益を取ったほうが得である」と考えているような住宅メーカーが非常に多いのです。
あなたやほかの客から得た余分な利益で住宅メーカーは新たな広告を出し、新しいカモを住宅展示場におびき寄せる。これが、悪質な住宅メーカーのビジネスモデルです。一般的な「お客様の立場にたった、お客様が喜ぶ商品やサービス」を提供するというリピート商売の考え方は、現在の住宅業界にはほとんどありません。この事実をぜひ覚えておいてください。有名な大手の住宅メーカーだからといって安心はできません。
儲けているのは「だますのがうまい」会社!?
もちろん、すべての住宅メーカーがお客様をだまして利益をむさぼる、ぼったくりバーのようだといっているのではありません。誠実に仕事をしてお客様に満足してもらっている住宅メーカーもあります。
しかし、お客様のために誠実な仕事をすればするほど、彼らは儲かりません。住宅業界に存在する「顧客をだましやすいルール」は、誠実な仕事をする住宅メーカーにとっても不利な仕組みでもあるからです。
つまり、「儲けている会社はお客様をだますのがうまい会社」なのです。これが「住宅建築業界のゆがみ」となる第1の原因です。