「長期投資=10年、20年」という勝手な思い込み
ここから「長期投資」という言葉について検討してみます。「長期投資」の文脈では、「長期とは一体何年なのですか?」という問いが頻繁に投げかけられます。
しかし、こうした問いそのものがナンセンスだと感じます。なぜなら、企業が価値をつくり、それを育て、そして、それが市場から評価される、それには相応の時間が掛かるからです。
株式投資で成果を得るには相応の時間が必須であり、そのプロセスに要する時間は、企業ごとにまったく違います。にもかかわらず、長期投資とは5年、10年と勝手に、投資家側で決めつけてしまうことに果たして意味があるでしょうか。
もちろん、投資家側の事情としてそうした時間軸を設けざるを得ないことは理解できますが、企業の価値創造という目線からすると、「長期とは一体何年ですか?」という問いは、投資家側の事情の押し付けではないかとさえ、私は感じてしまいます。
さらに付け加えるならば、投資家側も自分の時間軸は自らで決めるべきでしょう。「長期とは何年か?」を決めるのは他人ではありません。あなた自身です。
「長期投資」でもう一つ気がかりなことがあります。それは長い期間、10年、20年と時間を与えれば報われるだろう、という期待です。何度もくりかえしますが、企業の価値創造には時間が必須です。
しかし、それは顧客や社会が待ち望む価値が持続的につくられていることが大前提です。つまり、待ち望まれるような価値をつくれない、生み出せない企業にどれだけ長い期間投資していても、報われる可能性は極めて乏しいと言わざるを得ません。
こうした議論から、世界経済全体の成長、価値創造からのリターンを投資家として享受しようということでインデックス運用が長期投資の選択肢として魅力的に見えてくるわけですね。
リチャード・ケイ
コムジェスト
ファンド・マネージャー