「国に引き取ってもらうのに72万円も払うの?」親が遺した“千葉県の畑500平方メートル”に〈相続土地国庫帰属制度〉を利用…〈税金での救済〉ではない現実と、法務局の厳格審査の壁

「国に引き取ってもらうのに72万円も払うの?」親が遺した“千葉県の畑500平方メートル”に〈相続土地国庫帰属制度〉を利用…〈税金での救済〉ではない現実と、法務局の厳格審査の壁
(※写真はイメージです/PIXTA)

地方や郊外を中心に、全国で急増する「売れない空き家」。そのまま放置していると、行政から「特定空き家」に指定されてしまうこともあり、固定資産税の優遇解除や損害賠償リスクに直面する時代において、相続負動産の処分は一刻を争う課題です。本記事では、高橋大樹氏による著書『あなたの実家、どうする? 知識ゼロでも絶対後悔しない! 損しない! 不動産相続の新・ルール』(WAVE出版)より、「売りたくても売れない空き家」の対処法を解説します。

解決方法3.民間業者に有料で引き取ってもらう

最後の手段として、民間業者に費用を払って引き取ってもらう方法があります。「土地買取業者」などで検索すると、こうしたサービスを提供している業者が見つかるでしょう。

 

引き取り費用は土地の場所や状況によって大きく変わります。首都圏付近の山林なら50万〜150万円程度が相場ですが、交通の便が悪い場所になると200万円以上かかることも。さらに、建物がある場合は、解体費用として200万〜400万円程度が別途必要になります。

 

ただし、民間業者を選ぶ際には注意が必要です。というのも、この分野には悪質な業者も一定数存在するからです。「無料で引き取ります」と言っておきながら、後から高額な費用を請求する業者もいます。信頼できる業者を選ぶためには、会社の所在地が明確で実際に訪問できることを確認しましょう。

 

首都圏の山奥にある500平方メートルの土地を処分した事例をご紹介します。

 

相続人の方は東京在住、現地を一度も見たことがありませんでした。土地には築60年の小さな建物があり、倒壊の危険がありました。毎年の固定資産税は8万円、建物が倒壊すれば近隣への損害賠償リスクもありました。

 

最初は「相続土地国庫帰属制度」を検討しましたが、建物があるため利用できませんでした。建物を解体して更地にすれば制度を利用できますが、解体費用に200万円、国への負担金が100万円の合計300万円が必要となることがわかりました。

 

そこで民間業者に相談したところ、建物付きのまま250万円で引き取ってくれることになりました。相続土地国庫帰属制度より50万円ほど安く済んだのです。

どの方法を選ぶべき?

売れない空き家をどう処分するかは、それぞれの状況によって異なります。

 

費用を最小限に抑えたい場合は、まず隣地所有者への譲渡を検討し、次に相続土地国庫帰属制度を検討してみましょう。ただし、要件が厳しく、時間もかかることを覚悟する必要があります。確実に処分したい場合には、民間業者への依頼がいいでしょう。費用はかかりますが、スピーディーに処分できます。

 

どの場合も、複数の業者や法務局に相談して、最適な方法を見つけることが重要です。ひとりで悩まず、専門家に相談することをおすすめします。

 

 

高橋 大樹

不動産相続アーキテクツ株式会社

代表取締役・宅地建物取引士・一級建築士

 

 

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※本連載は、髙橋大樹氏による著書『あなたの実家、どうする? 知識ゼロでも絶対後悔しない! 損しない! 不動産相続の新・ルール』(WAVE出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

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