「娘一家を養う余裕」はない…夫婦が決めた“明確なルール”
三浦さん夫婦の金融資産は約3,600万円。2025年の金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60代・二人以上世帯の金融資産保有額は平均2,683万円で、より実態に近い中央値は1,400万円。三浦さん夫婦の資産額は、同年代の中央値を大きく上回っています。
とはいえ、3,600万円は「これから一生、娘一家の生活費や教育費を負担できる」という金額ではありません。夫婦2人の生活費に加え、医療費や介護費、住宅の修繕費など、老後にはまとまった支出が発生する可能性があります。
「65歳から先の生活を考えれば、決して使い放題のお金ではありません。旅行で160万円使ったことさえ、今となっては少し複雑な気持ちです」
とはいえ、娘と孫2人を「明日から自分たちで何とかしなさい」と追い出すこともできません。当面は5人で暮らすことを決めましたが、ひとつだけ明確なルールを設けました。
香菜さんには、毎月3万円を生活費として入れてもらうこと。収入が月12万円ほどしかない香菜さんにとっては、決して小さくない金額です。それでも三浦さんは、「無料で暮らせる状態にはしない」と決めました。
「娘を追い詰めたいのではなく、生活を立て直してもらいたいんです。親が全部払ってしまったら、娘自身が自立するきっかけを失ってしまう気がしました」
三浦さん夫婦が用意するのは「住む場所」と「立て直すまでの時間」。離婚協議を進め、養育費をきちんと受け取ったうえで、香菜さんには、子どもの保育環境が整い次第、勤務時間を増やすことも考えてもらうことに。
「私たちの老後も、守らなければいけないですからね」
人生は予定通りにはいきません。子どもの離婚、失業、病気、経済的な困窮など、思いもよらない出来事が親の生活に影響を及ぼすこともあります。
住宅ローンは完済し、3,600万円の資産もある。夫婦でスイスを旅し、「これからは2人で好きなことをして生きていこう」と話していた三浦さん夫婦も、帰国した日から、娘と孫2人との生活が始まりました。
「旅行のときは、本当に幸せでした。でも、人生最高の時間は、あの10日間だけじゃないと思うんです。娘が自分の力で生活を立て直して、また夫婦2人の生活に戻れたときに、『あのとき助けてよかった』と思えるようにしたいですね」
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