「私の財産、国に渡るの…?」やがて来る“相続人不在”の恐怖。66歳女性が直面する〈おひとりさま終活〉の壁【弁護士の助言】

「私の財産、国に渡るの…?」やがて来る“相続人不在”の恐怖。66歳女性が直面する〈おひとりさま終活〉の壁【弁護士の助言】

老後を一人で暮らす準備はしていても、入院時の身元保証や亡くなったあとの手続きまでが一人では行えません。そして、「おひとりさま」が亡くなった場合、遺された財産は最終的に国庫へ帰属してしまいます。本記事では、兄以外に相続人となる家族がいない66歳女性の事例から、おひとりさまが元気なうちに決めておきたい「どこまで準備をするのか」「誰に何を託すか」について、弁護士の清水勇希氏が解説します。

総額230万円をかけて得た「老後の安心」

マサコさんは難しい契約内容について何度も質問し、一つずつ納得したうえで、終身サポート(身元保証)事業者と契約を結びました。

 

マサコさんが依頼した事業者の費用は、以下のとおりです。

 

【生前の支援(身元保証)】

入会金(身元引受・連帯保証料のサービス費用):66万円

月額の管理事務手数料:5,500円

 

【遺言の作成】

弁護士への依頼・作成費用:44万円

 

【死後の手続き(死後事務)】

死後事務の費用:44万円

死後事務委任の預託金:120万円

※身元保証や死後事務の料金・預託金は、事業者や支援内容によって異なります。

 

預託金は事業者の報酬ではなく、葬式費用・遺品整理費用などの実費にあたるものです。預託金の平均は約100万円ですが、葬儀・納骨の希望や残置物処理費用の見積額などによって変動します。

 

また、財産の行き先については「自分が兄より先に亡くなった場合には、兄に遺産の全部を相続させる。もし自分より先に兄が亡くなった場合には、いとこに遺産の一部を相続させ、残りは動物愛護団体に寄付する」旨を記載した遺言を作成しました。

 

初期費用として合計約230万円を支払うことになりましたが、すべての手続きを終えたマサコさんは「これで安心して、最期を迎えることができます」と穏やかに語りました。

 

終活は、死後の希望を書き残すだけの作業ではありません。「そのとき、誰が実行するのか」まで決めて、初めて現実に動く備えになります。意思を伝えられる元気なうちに、一つずつ準備を始めていきましょう。

 

 

清水 勇希

株式会社あかり保証代表取締役/弁護士法人リット法律事務所弁護士

 

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