(※写真はイメージです/PIXTA)

子や孫にお小遣いや旅行代を出したり、帰省のたびに食事やレジャー費を負担したりする祖父母もいます。こうした援助が毎年続くうちに、旅行代や教育費を祖父母が負担することが家族のなかで当たり前になっていく場合もあります。援助を見直したことをきっかけに、それまでの家族との付き合い方まで変わることもあるでしょう。

援助をやめて初めて気づいた「会う理由」の変化

7月が終わり、8月に入っても連絡はありませんでした。

 

悦子さんから「夏休みはどうするの?」と尋ねると、真由さんからは「今年は子どもたちも予定が多いから、まだ分からない」と返信がありました。

 

結局、夏休みが終わるまで娘一家は一度も来ませんでした。

 

「夏休みも誰も来ませんでした」

 

悦子さんはそう振り返ります。

 

もちろん、援助をやめたから来なくなったと断定することはできません。

 

上の孫は中学校の部活動があり、下の孫にも習い事があります。子どもが成長すれば、祖父母宅へ家族そろって出かける機会が減るのは自然なことです。

 

それでも悦子さんには、どうしても時期が重なって見えました。

 

前年までは「今年はどこへ行こうか」と娘のほうから連絡がありました。それが、旅行代を出さないと伝えた年からなくなったのです。

 

真由さんと二人で会った際、悦子さんは思い切って尋ねました。

 

「私がお金を出さなくなったから、来なくなったの?」

 

真由さんは驚き、「そんなつもりじゃないよ」と否定しました。上の子は部活動、下の子は習い事があり、以前のように家族全員で予定を合わせるのが難しくなったのだといいます。

 

ただ、話しているうちに、真由さんはこんなことも口にしました。

 

「でも、お母さんのところに行ったら、みんなで外食したり、どこかへ遊びに行ったりするのがいつもの流れにはなってたかも」

 

悦子さんにも思い当たるところがありました。孫が来ると聞けば、「せっかくだから」と外食に連れて行き、夏休みには旅行代を出す。孫に会えることがうれしくて自分から続けてきたことでしたが、それがいつの間にか、娘一家が実家で過ごすときの定番になっていたのです。

 

「私も、何かしてあげることばかり考えていたのかもしれないね」

 

悦子さんはそう振り返ります。

 

内閣府の同調査では、60歳以上で子や孫の生活費を「ほとんど負担している」人は6.6%、「一部を負担している」人は18.6%でした。家族間の金銭的な支援は珍しいものではありませんが、その支援が家族との付き合い方にどう影響しているかは、それぞれの家庭で異なります。

 

子や孫への援助は、渡す側にとって愛情表現の一つになることがあります。しかし、金銭的な支援と家族との交流が長くセットになっていると、どちらがきっかけで会っているのか分かりにくくなることもあります。

 

援助を減らしたことで家族との付き合い方が変わったとしても、それだけで関係そのものがなくなるとは限りません。お金を介さずにどう会うのか、どのくらいの距離で付き合うのかを改めて考えることが、その後の家族関係を作り直すきっかけになる場合もあります。

 

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