「お父さんとお母さんはもうダメだ」仕事一筋で家族に尽くしてきた44歳・外資系金融マン父…ヨーロッパ留学を謳歌する18歳娘を緊急帰国させたワケ【弁護士の実録】

「お父さんとお母さんはもうダメだ」仕事一筋で家族に尽くしてきた44歳・外資系金融マン父…ヨーロッパ留学を謳歌する18歳娘を緊急帰国させたワケ【弁護士の実録】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「不倫」「浮気」「離婚」「セクハラ」……銀座さいとう法律事務所には、今日も有象無象のトラブルが舞い込みます。本連載では、齋藤健博弁護士が実際に寄せられた事例をもとに、男女の法律問題を解説していきます。

年末年始に帰国すると…自宅が“もぬけの殻”に

年末年始、休暇を取って日本に帰ると、想像を超える仕打ちが待っていました。自宅がもぬけの殻なのです。近所にある妻の実家の様子も見にいってみましたが、同様にもぬけの殻で、庭には雑草がかなり生えている状態でした。

 

そうこうしているうち、Aさんに「婚姻費用分担請求」が届きます。

 

中を読むと、「Cがヨーロッパの大学に留学をしているのでその費用を支払え」との旨が書かれています。Aさんは娘が留学に行くことすら知らされていませんでした。

「婚姻費用分担請求」の過大請求は免れたが…残された“深い溝”

婚姻費用分担請求とは、夫婦が別居しているあいだ、収入の多いほうの配偶者に対し、生活費や養育費などの費用を支払うように求める法的請求のことです。この点、不貞行為が確実に立証できる場合には、婚姻費用の範囲を「養育費部分だけ」に制限することができます。

 

Aさんのもとには、「留学費用・ホストファミリーへの支払い・パーティ参加料など、Cさんの海外生活にかかる費用をすべて支払え」という請求が届いていますが、本来、こうした費用は夫婦双方の承諾がなければ請求できないというのがルールです。ただし、同居している場合には「推定的承諾」といって、「同居していたのだから、承諾があったとみなす」という扱いができることがあります。

 

Aさんが探偵を雇って調べた結果、やはりBさんに不貞関係があったことが判明。相手は妻と同じ会社に勤務する男性でした。Aさんは高等裁判所まで争った末、婚姻費用は「通常の養育費のみ」とする判決を勝ち取りました。

 

「お父さんとお母さんはもうダメだ」と娘Cさんに伝えたAさん。Cさんは留学の継続が難しくなり、帰国を余儀なくされました。結局、AさんとCさん、そして娘との関係はさらに疎遠になってしまったのです。

 

 

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容から変更している部分があります。

 

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