(※写真はイメージです/PIXTA)

国家から独立したお金は、本当に国家を超えることができるのでしょうか。2009年に誕生したビットコインは、中央銀行や政府による発行・管理を必要としない世界初のデジタル通貨として注目を集めてきました。そして2021年には、中米エルサルバドルが世界で初めてビットコインを法定通貨として採用し、「国家」と「お金」の関係に新たな問いを投げかけました。約30年にわたる海外生活の経験を持ち、近年はシベリアやエチオピアで自らビットコイン採掘事業にも取り組んでいる本名正博氏が、世界初の「ビットコイン法定通貨国」エルサルバドルで、日本の選挙に一票を投じた体験から見えてきた「国家とお金」の関係について考えます。

南米で見た「国家の差」

エルサルバドルを訪れる前、私はウルグアイに約10日間滞在し、その後ブラジルのサンパウロやコロンビアのボゴタを経由していました。

 

ウルグアイでは、街中で警察官の姿をほとんど見かけませんでした。それにもかかわらず、驚くほど安心して歩くことができました。

 

一方、ブラジルのサンパウロでは、主要な通りに100メートルおきに武装警官が立っていました。同じ南米でありながら、社会の空気はまるで違います。

 

なぜ、その差が生まれるのか。経済規模だけでは説明できません。法制度、教育、政治、治安維持、社会への信頼。

 

長い年月をかけて積み上げられた国家の仕組みが、人々の日常を形作っています。ビットコインの世界にいると、「国家を超える未来」が語られることがあります。私自身も、その可能性を信じています。

 

しかし、南米を旅して改めて感じたのは、お金と国家は同じではないということです。国家がなくても成立するお金はあるかもしれません。安全な街をつくり、法を整備し、人々の生活基盤を支える国家の役割まで簡単に代替できるわけではありません。

国家とお金は分離できるのか

エルサルバドルでビットコインの未来を議論しながら、日本の選挙に投票した経験は、私にひとつの問いを投げかけました。国家とお金は、本当に分離できるのでしょうか。ビットコインは国家に依存しないお金として誕生しました。

 

しかし、人々が安心して暮らせる社会を支える仕組みまで、国家から切り離すことができるのでしょうか。

 

そして、もしお金と国家が分離した未来が訪れるとしても、人々は国家に何を求め続けるのでしょうか。

 

ビットコインの国で日本に一票を投じた日以来、私はその問いを考え続けています。

 

 

本名 正博

マネージングディレクター

希合KYGO

 

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2028年から株式・投資信託並みの「20%分離課税」へ。
知らずには済まされない「貨幣/純粋資産」としての
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