(※写真はイメージです/PIXTA)

国家から独立したお金は、本当に国家を超えることができるのでしょうか。2009年に誕生したビットコインは、中央銀行や政府による発行・管理を必要としない世界初のデジタル通貨として注目を集めてきました。そして2021年には、中米エルサルバドルが世界で初めてビットコインを法定通貨として採用し、「国家」と「お金」の関係に新たな問いを投げかけました。約30年にわたる海外生活の経験を持ち、近年はシベリアやエチオピアで自らビットコイン採掘事業にも取り組んでいる本名正博氏が、世界初の「ビットコイン法定通貨国」エルサルバドルで、日本の選挙に一票を投じた体験から見えてきた「国家とお金」の関係について考えます。

エルサルバドルで日本に投票する

そんなエルサルバドル滞在中、私は日本の衆議院議員選挙の在外投票を行いました(写真2)

 

写真2 筆者撮影

南米を移動する日々のなかで、日本語を話す機会はほとんどありませんでした。そのため、駐エルサルバドル日本大使館で日本語を交わした瞬間、不思議な安心感を覚えました。

 

投票手続きを担当してくださった職員の方から、「観光でいらっしゃったのですか?」と尋ねられました。

 

私は思わず、「ビットコインは国家や中央銀行から独立したお金です。将来、人々がインフレから資産を守るための重要な選択肢になると信じています」と熱弁をふるってしまいました。

 

今振り返ると少し可笑しい話です。国家を代表する大使館で、国家から独立したお金について語っていたのですから。

政治から距離を置いてきた私が投票した理由

私は30年近く海外で暮らしてきました。国際金融や海外資産管理の仕事に携わり、現在はビットコインのマイニング事業にも関わっています。仕事も生活も、どちらかと言えば国家や政府から距離を置く方向へ進んできた人生だったと思います。

 

そのため、日本の政治に強い関心を持ってきたわけではありません。海外生活が長いにもかかわらず、在外投票を行ったのはまだ2回目です。

 

ところが、あの選挙では違いました。選挙日程が発表された時、私は「どこにいても必ず投票しよう」と強く思ったのです。

 

その理由は、南米を巡るなかで目の当たりにした現実にありました。

 

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