きょうだい間で偏りがちな「介護の負担」
本来、介護は家族の助け合いのはずです。しかし現実には、負担の偏りがきょうだい関係を壊してしまうことも少なくありません。
公益財団法人生命保険文化センターの資料(厚生労働省の「介護給付費等実態統計月報」(2025年9月審査分)より)によると、年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合は、80~84歳で26.7%、85歳以上では60.2%に達しています。
平均寿命が延びるなか、介護は多くの家庭にとって避けて通れない問題になりつつあります。
では実際、誰が介護を担っているのでしょうか。 厚生労働省「国民生活基礎調査の概況(2022年)」によると、主な介護者で最も多いのは「同居の配偶者(22.9%)」。「同居の子(16.2%)」、「事業者(15.6%)」、「別居の家族等(11.8%)」と続きます。
実家に住んでいる(近くに住んでいる)。 独身である。 専業主婦である。 仕事の融通が利きそう。さまざまな事情から、“できそうな人”に介護が集中しやすい現実があります。
一方で、介護を担っていない側は「近くにいるんだから」「自分には仕事がある」などと考えがちです。その温度差が、きょうだい間の深刻な対立につながることもあります。
突然来る親の介護――早めの話し合いを
さらに、介護問題を複雑にするのが“相続”です。
「これだけ介護したのだから、相続で考慮されるべきでは」。そう感じる人は少なくありません。法律上は「寄与分」という制度があります。長期間にわたり無償で特別な介護を行い、被相続人の財産維持に貢献した場合、相続で一定程度考慮される可能性があります。
ただし、現実には簡単ではありません。 通院の付き添いや日常的な世話だけでは「特別な貢献」と認められにくく、きょうだい間で意見が対立すれば争いに発展するケースもあります。
そのため 「頑張って介護したのに、相続は平等なんて“苦労損”」 という不満が噴出することもあるのです。
だからこそ、「まだ元気だから大丈夫」と先送りして家族関係に大きな亀裂を生む前に、家族で介護の分担から、万一の時の相続まで、しっかりと話し合っておくことが必要です。
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