前回は、コインランドリーの事業化戦略に有効な他業種とのコラボレーションを紹介しました。今回は、郊外型コインランドリーと他業種のコラボを想定した場合の収支計画の立て方について見ていきます。

イートインを併設したコンビニとのコラボも

理想をいえば1000坪ぐらいの敷地にコンビニエンスストアとコラボした有人のコインランドリーを出店したいですね。

 

実はずいぶん前から、あるコンビニエンスストアが主宰する異業種とのコラボを進める会に入っていまして、こちらはいつ実現するかと期待しているのですが、なかなか順番が回ってきません。この会は月に1回、そのコンビニエンスストアとコラボしたいと思う異業種の企業が集まって、こんなコラボが実現しましたとか、こんなお店があるのでどうですか、と紹介してくれるものなんです。

 

最初はあるハウスメーカーが5000坪ぐらいの敷地をさがしてきて、そこにコンビニエンスストアが大きめの店舗をだして大家さんになり、われわれ会員がそれぞれいろいろな業種のお店をだして家賃を払うという話でした。そのコンビニエンスストアが全国に展開する店舗のなかでも特別強力なパワーショップをつくるということだったのです。こちらとしては願ってもない話なので、即、乗ったのですが、これもまだ実現していません。

 

こちらとしては、そのコンビニエンスストアとのコラボレーションが実現しないなら、そろそろほかのコンビニエンスストアとコラボすることも考えなければいけないなと、思っています。

 

郊外店では積極的にイートインを併設したコンビニエンスストアもあるので、こうしたコンビニエンスストアとも、ぜひコラボしたい。そうすれば休日の午前中に洗濯かたがた朝食を!といったコピーでチラシなどもポスティングできるでしょう。大型のコンビニエンスストアは、その地域で認知度が高いですから、そこと同じ敷地にあるとアピールすることは、集客する上で非常に大切です。

年間売り上げ1000万円なら家賃は20万円に抑えたい

このようなコンビニエンスストアとのコラボを想定した郊外店の場合、家賃はどのくらいを想定するのでしょうか。まず基本となる従来の無人のコインランドリーであれば、1000万円を売り上げるとして20万円ぐらいに抑えたいものです。いくら無人のコインランドリーが粗利のいい商売だといっても30万円になると年に360万円ですから、固定費が売り上げの36%になります。これはいかにも重いです。

 

たとえば大家さんに建物は提供してもらって、コンビニエンスストアと共用の駐車場は自由に使っていいという条件なら30万円でも仕方がないか、といったところです。もちろんこれを有人の店舗として運営していくには、洗濯代行サービスなど付加価値をつけて、売り上げを上げていかないと人件費がでないわけですが、すでにいろいろな事業を展開している人なら、そのあたりは見当はつくのではないでしょうか。

 

次項で詳述するように弊社が展開しようとしているランドリエの1号店は八王子駅から500mほどの場所に誕生しましたが、ここはもともと広い駐車場をそなえたコンビニエンスストアが営業しており、コンビニエンスストアだった建物を弊社が借り受ける形です。駐車場はコインパーキングを併設することになっています。コインランドリーとコインパーキングがコラボするわけですが、郊外では大きな駐車場をもった店舗は、それこそ無数にあり、コラボする相手にはこと欠きません。

 

地方では、大型スーパーを核にいろいろな業種の店舗を集めた複合型商業施設が多くできています。こうした施設に出店するのもひとつの方法でしょう。また直接出店するには、権利金や家賃が高い場合は、そうした大型施設の近隣に独立したコインランドリーを出すという手も考えられるでしょう。

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

鈴木 國夫

幻冬舎メディアコンサルティング

「ローリスク・ハイリターン」な投資先として近年注目を集めるコインランドリー。しかし実際のところ、コインランドリーは本当に儲かるビジネスなのか? 本書では、業界に携わって37年のベテラン社長が、業界の歴史から最近の…

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