前回は、コインランドリーのサービスを進化させる可能性をもつ、「クリーニング師」という資格を紹介しました。今回は、旧来のコインランドリー店にはない「洗濯代行型」の特徴を見ていきます。

コインランドリーへの規制はゆるすぎた!?

前回見てきたように、コインランドリーをクリーニング店として届出し直す、新規開店なら最初からクリーニング店として届け出るには、いろいろな規制に対応していかなくてはいけないわけです。こうして改めて規制の内容をチェックしてみると、私がいうのも変な話ですが、コインランドリーへの規制がいかにゆるかったかがわかります。

 

もちろん、それはコインランドリーへの規制がゆるすぎたわけで、こうした規制が事業化の妨げになるようなことはありません。なにしろ飲食店への規制の方がはるかに厳しいですが、それが商売の妨げになっているなんて話はきいたことがありません。

 

コインランドリーの有人化によってもたらされるメリットは、こうしたクリーニング店の規制に適合させるためのコストにくらべたら、比較にならないくらい大きいと私は考えています。クリーニング店は先にも述べたように、確かに毎年どんどん閉店しています。しかしそれはドライクリーニングというシステムのコスト高と環境問題が大きく影響していると思います。

 

ドライクリーニングの機械は1台数百万円近くするものもありますし、日常的に使用するクリーニング用溶剤は可燃性で毒性を持つものもあり、どこにでも設置できるものではありません。最近は規制が厳しくドライクリーニング店の出店場所はかぎられています。

地域に密着した現代の「洗濯屋」を目指す

その点私が考えている洗濯代行型のコインランドリー店を出す場合は、場所は選びません。駅前にもだせるし、郊外でもいい。その特性をいかして地域に密着した現代の「洗濯屋」を目指したらどうかと思います。

 

そういった目で見ていけば、洗濯代行サービス以外にも、地域の人びとに受け入れられるサービスはいろいろと見つかると思うのです。

 

今駅前やスーパーのそばには、たくさんのクリーニングの取次店がありますが、低価格競争から青息吐息の状態で、とても洗濯の分野で地域に密着したきめ細かいサービスができるとは思えません。もちろん同じ「洗う」という分野を担っている従来からあるクリーニング店とは、いたずらに競争するのではなく協力できる部分は協力してお互いにWINWINの関係がつくれればいいと思っています。

 

たとえば最近、西日本の倉敷や岡山、あるいは名古屋圏でクリーニング店の隣にコインランドリーがあるといったパターンの出店がちらほら見られます。これはドライクリーニング用機器のメーカーがコインランドリー機器にも進出した影響なのかもしれませんが、それまでクリーニング店を営んでいた経営者が、少しクリーニング店の業態を縮小して、そこにコインランドリーをつくって少しでも日銭を稼ごうという戦略のようです。

 

個人経営のクリーニング店の場合、約半数が土地と店舗を自己所有している(『クリーニング業の実態と経営改善の方策』平成24年3月厚生労働省)ということなので、コインランドリー用の機器のリース費用と若干の店舗改造費があれば、比較的簡単にコインランドリーを併設できるようです。

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

鈴木 國夫

幻冬舎メディアコンサルティング

「ローリスク・ハイリターン」な投資先として近年注目を集めるコインランドリー。しかし実際のところ、コインランドリーは本当に儲かるビジネスなのか? 本書では、業界に携わって37年のベテラン社長が、業界の歴史から最近の…

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