前回は、高齢者に向けたコインランドリーの「洗濯代行」サービスについて説明しました。今回は、「有人」コインランドリーの可能性を見ていきます。

「無人店舗」では自動で洗剤や柔軟剤を投入

高齢になると肌が敏感になり、洗剤や柔軟剤の種類によっては、肌が赤くなったり、かゆみが出たりすることがあるようです。そのため「洗剤や柔軟剤は、これでなくてはだめ」という方が少なくないようです。これは高齢者だけの問題ではなく、赤ちゃんや幼い子どもを育てているママさんたちからも「自家用の洗剤や柔軟剤をコインランドリーで使えたら、もっとコインランドリーを利用するのに」という声をよくききます。

 

現在のコインランドリーに設置された洗濯機や乾燥機は、自動で洗剤や柔軟剤を投入するようにセットしてありますから、昔のようにユーザーが自分の好みの洗剤や柔軟剤をもってきて入れるわけにはいかないのです。

 

しかし、これも無人店舗を前提にしているからで、スタッフがいれば問題はありません。機械によっていろいろですが、お客様がもってきた「マイ洗剤」「マイ柔軟剤」に対応することは十分可能なのです。

「有人店舗」であればきめ細かいサービスが可能

話は少しそれますが、コインランドリー用の洗濯機に使う洗剤の選定は、けっこうたいへんです。いろんな繊維を1種類の洗剤で洗うわけですから、いろんな問題が出てきます。白い綿のシャツを真っ白に洗うにはよくても、色物だと色落ちが酷いとか。毛や絹をコインランドリーで洗う人はいないだろうと思うでしょうが、実際には、本来手洗いが前提のこうしたものまで、まとめて洗ってしまう人は少なくないのです。

 

先に触れたアレルギーの件でも、人間の肌にいちばん優しいと謳った椰子の実の油を原料にした洗剤も試してみました。ところがこれは肌には優しいかもしれないけれども「長期間使用すると繊維が黒ずんでくるので注意」と説明書に書いてありました。これではいくら肌に優しくても採用するのは無理です。

 

結局、あまり汚れを落とす力は強くないが、その分、どんな繊維に使っても問題を起こさないような無難なものを選ぶしかないのです。

 

洗う物に合わせて洗剤を選ぶというあたり前のことも、無人を前提とした従来のコインランドリーではきなかったのですが、有人になれば、ここでもお客様の要望にあわせたきめ細かいサービスが可能になるわけです。

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

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鈴木 國夫

幻冬舎メディアコンサルティング

「ローリスク・ハイリターン」な投資先として近年注目を集めるコインランドリー。しかし実際のところ、コインランドリーは本当に儲かるビジネスなのか? 本書では、業界に携わって37年のベテラン社長が、業界の歴史から最近の…

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