前回は、コインランドリーのあり方を変える「超高齢化社会」の現状を見ていきました。今回は、高齢者に向けたコインランドリーの「洗濯代行」サービスについて説明します。

作業が困難になった高齢者の洗濯を「肩代わり」する

今までコインランドリーは、毎日の欠かせない家事だった洗濯を、休日のまとめ洗いに置き換えることで、女性の社会進出を支えてきました。それと同じように自分で洗濯機を回してベランダに干すといった作業が困難になった高齢者に替わって、われわれコインランドリー業界が洗濯を肩代わりできないか。大げさにいうとそういうことです。

 

たとえばコインランドリーの店頭で朝にお年寄りから洗濯ものをお預かりしたら、スタッフが空いている洗濯機で洗って乾燥機にかけ、夕方までには、きれいに畳んだものを用意しておく。お年寄りには夕食の買いだしに出たついでに寄ってもらい、仕上がった洗濯ものを引き取っていただく。

 

あるいは長雨の季節や真夏、真冬など季節がお年寄りに厳しい時期には、コインランドリーのスタッフがお年寄りの自宅までうかがって、洗濯ものを回収するのです。そして持ち帰った洗濯ものは空いている機械を使って洗って乾かし、畳んだうえで、今度は自宅にお届けする。

 

コインランドリーでこうしたサービスが受けられることが周知されれば、お年寄りにとって心強い味方になるはずです。体調がいいときや、季節のいい時期は自分で洗濯をする。でも、体調が悪かったり気候が厳しいときはコインランドリーの洗濯代行サービスに頼めばいい。そう思えば、気が楽です。自治体に要介護を申請してヘルパーさんを頼むほどでもないという高齢者には、願ってもないサービスではないでしょうか。

店内のスタッフがコインランドリーの使い方を説明

もちろん「洗濯ぐらい自分でやるわよ」という高齢者も大勢おられるに違いありません。ただ、そういう方々も雨が続いたりしたとき、まとめて洗ったり乾燥機を使ったりしたいということがあるはずです。

 

そんなときにもコインランドリーにスタッフがいれば、使い方を説明してくれますから、敷居がぐっと低くなるはずです。

 

最新のコインランドリーは、基本的には使いやすく、ユーザーに優しい設計になっているのですが、今までコインランドリーを使ったことがないという高齢者には、やはりわかりにくい面もあるでしょう。

 

たとえば現在のコインランドリーは「コイン」といいながら、昔のように直接洗濯機や乾燥機にコインを入れるようにはなっていない場合もあります。店内にそなえつけの機器でカードに入金し、それを洗濯機や乾燥機に読み込ませるスタイルです。これなど高齢者にとってはとまどう原因になるかもしれません。

 

こうしたちょっとしたとまどいも、店内にスタッフが居さえすれば何の問題もありません。理屈さえ飲み込んでいただければ、高齢者にも簡単に使っていただけるのが、最新のコインランドリーシステムですから。

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

鈴木 國夫

幻冬舎メディアコンサルティング

「ローリスク・ハイリターン」な投資先として近年注目を集めるコインランドリー。しかし実際のところ、コインランドリーは本当に儲かるビジネスなのか? 本書では、業界に携わって37年のベテラン社長が、業界の歴史から最近の…

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