(※写真はイメージです/PIXTA)

昇進は、キャリアの節目であり、収入増への期待も伴います。特に管理職への昇格は、長年の努力の結果として捉えられることが多いでしょう。しかし実際には、年収が増えても「手取りが思ったほど増えない」どころか、生活の余裕を感じられないケースも少なくありません。

「年収は上がったのに…」給与明細を見て絶句

IT企業に勤める佐々木さん(仮名・45歳)は、入社20年目で念願の部長職に昇進しました。これにより、年収は約850万円から930万円へと増加しました。

 

「やっとここまで来た、という達成感がありました。家族も喜んでくれて、自分としても一区切りついた気がしていました」

 

ところが、その喜びは長くは続きませんでした。昇進後、最初の給与明細を確認したとき、違和感を覚えたのです。

 

「……あれ? 思ったより残ってないな」

 

額面の給与は確かに増えているものの、手取り額は期待していたほど伸びていませんでした。

 

原因は明確でした。税金と社会保険料の負担増です。

 

日本の所得税は累進課税制度が採用されており、所得が増えるほど税率が上がります。さらに、住民税は前年所得を基準に課税されるため、昇進の影響は翌年以降に本格的に表れます。

 

加えて、社会保険料も標準報酬月額に応じて増加します。健康保険や厚生年金の保険料は、給与水準が上がるほど負担額が増える仕組みです。

 

さらに、これまで受けられていた各種控除の影響もありました。

 

「住宅ローン控除もそろそろ終わる時期で…タイミング的に一気に負担が増えた感じでした」

 

こうして、佐々木さんの中で「昇進=生活が楽になる」というイメージは崩れていきました。

 

昇進後、佐々木さんの生活は大きく変わったわけではありません。しかし、「余裕が増えた実感がない」という違和感は次第に強まっていきました。

 

「年収という数字だけ見れば順調なんです。でも、自由に使えるお金はそこまで増えていない。まさかこんなに手取りが低いとは…」

 

さらに、子どもの教育費もこれから増加するタイミングでした。中学生になると、塾費用や教材費などで支出は一気に膨らみます。

 

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